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生き方

「昼休みが孤独だった」人づきあいをせず漫画に没頭した“スヌーピーの父”

デイヴィッド・マイケリス(著)・古屋美登里(訳)

2020年03月24日 公開 2024年12月16日 更新

 

私にできるのは漫画を描くことだけ

シュルツはゴールデン・アロー・ビルディングのアトリエから外に出ず、他の漫画家とつきあうことはなかった。

アトリエを持てたのは「本当に嬉しかった」が、「孤独な」環境で、とりわけ昼休みは孤独だった。

自立心が強くて人づきあいをしなかったシュルツ夫妻は、山登りに行くことも町に泳ぎに行くこともなかった。希望どおり、家のそばから離れなかった。

ガレージでハロウィーン・パーティーを開いて近所の子供を招待するほうが、大人社会のつきあいに入っていくより、はるかにましだった。

「親しくなるには時間がかかるんです」とシュルツはよく言った。

というのも、彼と妻のジョイスはつきあいの幅を広げたいと思っていたかもしれないが、実は、ふたりだけでいるほうが気が楽だったからだ。

それで、コロラド・スプリングズでの初めての友人、ヴァン・ペルト夫妻(フィリップとルーアン)と知り合うまでに四ヶ月もかかった。

決して言葉には出さなかったが、シュルツは「私にできるのは漫画を描くことだけなんだ、だから漫画を描かせてくれ」と思っていた。彼はこう説明している。

「自分の得意なことをしているときがいちばん幸せですね。漫画を描いていると愉しいし、絵を描くのが愉しいし、どんな些細な線でもできるだけ完璧に描くのが愉しい。

そして、自分のなかからアイデアがたくさん湧いてくることを誇りに思っています。その発想を絵にしながら、これはすごいアイデアだなあと思うんです。

そのアイデアを思いついたのが自分で、他のだれでもないことを誇りに思いますよ」

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作品のなかには自分しかいない

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