テレワークで阿鼻叫喚!! 自宅で集中できない人に教える「在宅ワーク巧者の知恵」
2020年04月09日 公開 2024年12月16日 更新
新型コロナウイルス感染拡大、そして緊急事態宣言の状況のなかで、政府からも強く推奨された「テレワーク」。出社せずとも社内・チームの連絡やミーティングを実施するための様々なツールやサービスの情報が共有され、オンライン上のバーチャルオフィスは構築されつつあると言えるかもしれない。
ところが、実際に人が手を動かす現場はあくまでも「自宅」。はしゃぎまわる子ども、キーボード上の実効支配を目論むネコ、PCのモニタで誘惑する色とりどりのアイコンたち…物理的にも精神的にも切り替えができず「集中できない」という声が噴出している現状もある。
そこで本稿では、もとより「家が職場」を続けてきたフリーランスの方々に、自宅での仕事をどう成立させ、継続させているのか、その方法論を聞いてみた。(PHPオンライン衆知編集部 太田智一)
子どもにはとても見せられない「締め切り前の顔」
雑誌や書籍のライターとして活躍する東雄介さんは、フリーランスとしての自宅ワーク歴は15年。その間にも結婚、お子さんの誕生など人生の大きな転機を経験しつつも、これまで継続して取材や執筆に取り組んできた。
現在も8歳と1歳の子が自宅にいる環境で、多くの仕事を滞りなく続けられている。いかにして集中できる環境を構築してるのか?
東雄介さん(以下、東)「妻なり夫なりが子どもの面倒を見てくれていたとしても、子どもが仕事の邪魔をすることは避けられません。また、子どもを邪険に扱うことが自分の罪悪感を誘ってしまい、集中力が削がれてしまいます。
そこで私の場合は、子どもが寝ている時間帯に仕事をするべく、早朝型に切り替えました。極端な話かもしれませんが、子どもにもっとも手が掛かっていた時期は午前2時起きで仕事に取り組んでいました」
――早起きでで体がつらくなったり、仕事のパフォーマンスが落ちたりしませんでしたか?
東「いろいろ試したのですが、やはり寝る前の深夜に仕事をするとパフォーマンスが落ちました。一方で早起きをすると着手から4時間ぐらいのパフォーマンスが最大化することを体感できて、結果として朝型になりました」
――なるほど。とはいえ子どもが起きている時間にも、仕事をしなければいけませんよね?
東「そうですね。やさしいお父さんだと思い近づいてくるわが子に、"締め切り直前の矛先の無い殺意に満ちたライターの顔"を見せてしまうと、びっくりされてしまいますし、私も後ろめたい気持ちになります(苦笑)」
――仕事とプライベートをしっかりと切り替えられないと、家族関係にも問題が起こってしまいますね…
東「ですので、私がたどり着いた結論は『子どもをコントロールするのは諦めろ』です。もし仕事用のパーソナルスペースを用意していたとしても、子どもの行き来は家の中で起こって、その物音や声は集中の妨げになります。
確かに、今の時代にはiPadのような子どもを夢中にさせる"劇薬"がありますが、YouTubeばかり見て困るといった親御さんの声もしばしば耳にします。私自身は用途を間違えなければ毒にはならないと思っているのですが、それだけで子どもをコントロールすることが不可能だということは、小さい子を持つ親の多くが体感していることではないでしょうか?」