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仕事

「俺の若い頃は…」と言ってしまう上司の口を、今すぐ塞ぐべき理由

成田直人(ジャパンブルーコンサルティング株式会社代表取締役)

2020年05月11日 公開 2020年05月11日 更新

新型コロナウイルスの感染の拡大により、営業自粛や勤務時間の短縮、くわえて会社や職種によってはリモートワークの導入など、働き方も大きく変わってきている。

また、近年の若者の考え方の変化もあり、マネジメントのやり方も新しい手法が求められている。これまでに約250社2万人以上のマネジャーやリーダーに研修を行ってきた、『使えない部下はいない』の著者である成田直人先生に、部下育成のポイントをうかがった。

※本記事は、成田直人:著『使えない部下はいない』(ポプラ社)より、一部を抜粋編集したものです。

 

部下が使えないのではなく、上司が使えない部下を生み出している

私はもともと全く売れない販売員から始まり、日本一のアルバイト販売員になった経験から人は誰でも会社内でも活躍できると確信しています。

しかし、それには2つの条件が必要です。それは、

⓵マネジャーに恵まれる
⓶変わるキッカケ

です。

今あなたが抱える部下に対して、「使えない」「いつも同じミスをする」「全く成長していない」とネガティブな印象を持っているのだとしたら、それは部下だけの問題ではなく、あなたの問題かもしれません。そう捉えて、マネジメントの手法を改革していくことであなたのマネジメントはアップデートして時代にフィットしていくことでしょう。

ここからは知らず知らずのうちに「使えない部下にしている」マネジメントをいくつか紹介したいと思います。

 

「練習は、質より量が重要」の感覚はもう通用しない

気合と根性を兼ね備えた人材よりも効率化重視の人材(少ない努力で大きな成果)が増えていくことを考えれば、今後のマネジメントも大きく見直す必要がありそうです。しかしそれはパワハラマネジャーからしてみたら、サボっているようにしか見えないかもしれません。

当社のクライアントの中でも売上が絶好調企業のある執行役員は、「なんでも失敗をしていいのに全然チャレンジをしない」ということが課題だとおっしゃっていました。

おそらくこの感覚は、多くのマネジャーが抱く部下への不満のひとつではないでしょうか。新人がチャレンジをしないで失敗をするのが怖いようでは、社会人として失格という感覚です。

たしかにおっしゃるとおりなのですが、強要するとすぐに辞めてしまうのが今の若者です。

営業の仕事でテレアポがあります。先日ツイッターで発見したのですが、ある企業に勤める新卒が早々「テレアポが苦痛で会社辞めてやった」みたいなコメントがありました。

表では「はい、すみませんがんばります」と、マネジャーが思う「新人は断られてなんぼ」という練習量重視のマネジメントを受け入れますが、本心はこのツイッターのコメントの通りなのではないかと思います。

私がこのクライアント先で若手メンバーに、「なんでみんなチャレンジしないの? なんでチャレンジできないの?」と聞くと、「失敗したら先輩に迷惑をかける」「まだ基礎ができていないのに不安です」など、チャレンジすることにネガティブなマインドを持っていることがわかりました。

マネジャーは「失敗してもマネジャーがフォローするのも仕事!」と思っていますが、当の若手は「失敗するのが怖い」と思っています。ですから、むやみに行動を強要するのは時代にあっていない、ということになります。

マネジャーのみなさんが新人時代に受けてきたマネジメントは、若手にはもう通用しません。

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もう「強制力」では部下は動かない

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