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組織を滅ぼす「有給休暇の理由を聞く上司」

成田直人(ジャパンブルーコンサルティング株式会社代表取締役)

2020年05月12日 公開

新型コロナウイルスの感染の拡大により、営業自粛や勤務時間の短縮、くわえて会社や職種によってはリモートワークの導入など、働き方も大きく変わってきている。

また、近年の若者の考え方の変化もあり、マネジメントのやり方も新しい手法が求められている。これまでに約250社2万人以上のマネジャーやリーダーに研修を行ってきた、『使えない部下はいない』の著者である成田直人先生に、部下育成のポイントをうかがった。

※本記事は、成田直人:著『使えない部下はいない』(ポプラ社)より、一部を抜粋編集したものです。

 

若手が仕事中にスマホ・SNSをするのは「やる気のある証拠」

仕事中にスマホをさわると、「お前、人の話を聞いているのか?」と怒るマネジャーがいます。

先日も私がある企業のリーダー研修をしていた際に、受講生がスマホをしきりにさわってマネジャーが「携帯いじるなら外に行け!」と小声で怒っている姿を見つけました。これはおそらく私への配慮で「携帯をいじる=失礼」という解釈の行動だったようです。

気持ちは嬉しかったですが、正直私はスマホをさわることはなんとも思っていません。なぜなら、リアルタイムで返信をしなければいけない事案がこれまで以上に増えたからです。

今までは研修の合間にメールを確認する受講生が多かったのですが、最近はPCの持参率も下がり、スマホでやりとりをしている人も増えました。

仮に研修中にネットサーフィンをしていたとしても(していないはずですが)、怒ることはないと思います。なぜなら、私の研修よりもネットサーフィンを優先するということは、私の話がつまらないからということになるからです。

さすがに注意しなければいけないほどのケースに出会った場合は、なぜそうしたのかの「理由」を聞きます。相手の行動を頭ごなしに否定することも時代にあっていないと私は思っています。

仕事のやり方もPCからスマホやタブレットに移行しつつあります。その証拠にPCよりもスマホの保持台数の方が数年前に上回ったというデータがあります。

マネジャーの話を黙って目を見て一生懸命聞くことが美徳の時代では、研修や打ち合わせなどの際に携帯を触ることは御法度でしたが、時代は変わりました。

余談ですが、私の公開セミナーでは、私の話を聞きながらリアルタイムにTwitterで学んだことをアウトプットしている受講生もいます。

これはメモをとるだけが良い受講態度ではないことを示しています。自分だけではなく、Twitterのフォロワーにも学びを共有するという新しい価値観が生まれています。

電車でも常にスマホをいじっている人が増えています。もしかしたらマネジャー陣もそうかもしれません。

ガラケーやパソコンよりも手放せない存在になったからこそ、各局面で手元に表れるのは不自然なことではなくむしろ自然なことだと私は思っています。

先日読んだ若手IT企業経営者のインタビューで、Twitterの合間に仕事をしていても評価がどんどんアップするという話が出ていました。この感覚についていかなくては次世代のマネジメントはできないのではないかと思います。

部下を伸ばすためには、過去の常識をいったん手放して今の若手の常識の上でコミュニケーションを重ねないといけません。

「SNS/スマホを仕事中にする=さぼっている」という勝手なレッテルをはがして純粋に受け止めてみる。具体的には、「何を調べてるの?」と聞くことから始まるとよいのではないかと思います。

だから、私は研修中にスマホをいじっても注意するどころか休憩中に「研修のことツイートしてくれた?」なんて冗談を言っています。

「メモをとらせてもらっていました」と返答があるし、本当に「Twitterで共有していいんですか? すごい勉強になってます!」とむしろ肯定的な反応が返ってくることが多いです。もちろん企業研修の場合は事務局に確認してねと伝えています。

ツイートしてくれたら受講生のフォロワーにも私の名前が知れて本が売れるかもと前向きに捉えています。

いかがでしょうか、この感覚についていけるでしょうか。

時代時代においてもコミュニケーションツールは変わります。今はフェイスブックやTwitter、インスタグラムですが、数年後には全部変わっているかもしれません。

「若者のツールはわからない」と捨てるのではなく、日常から積極的にツールを使うことで部下のやる気や良質な人間関係を築くことに貢献する、と思って活用してみることをオススメします。

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「有給申請には理由が必要」は今すぐ改めないと若手は離れていく

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