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通勤ラッシュ復活で明白になる「ホワイトカラーの人余り」 “ウィズ・コロナ”が突きつける現実

竹内謙礼(有限会社いろは代表取締役)

2020年06月29日 公開 2023年11月02日 更新

 

通勤ラッシュの復活とともに問われる「ホワイトカラーの存在価値」

人あまりが予想されるのが、事務、営業系のホワイトカラーのビジネスマンたちである。

サービス業と違い、急激に業績が回復することはなく、体質の古い企業であれば、再び通勤ラッシュと出張が復活すると思われる。しかし、外出自粛期間中にテレワークが進んだことにより、不必要な仕事、不必要な人材が浮き彫りになっており、業績によってはリストラ、給与の減額を強いる企業が増えてくるかもしれない。

社内に不要と思われる人材に対しての急速なリストラが進み、中高年の失業者が世間に溢れ返ることが予想される。また、変わり身の早い人であれば、給与や時給が高騰する飲食店や宿泊業に早々と転職して、場合によってはホワイトカラーよりも高い給与になる人材が出てくるかもしれない。

やがてサービス業では、ホワイトカラーからの転職がトレンドとなり、飲食店や宿泊業では職にあふれた中高年の教育プログラムが重宝される社会になる。しばらくは外国人労働者も戻ってこない状況なので、事務職や営業職からあふれ出てしまった中高年の活用法が、コロナ禍収束後のサービス業の成長のカギを握っている。

 

「触れあう」という習慣が消滅することは絶対にない

コロナ禍収束後は、遊園地や観光施設、エンタメ関連のビジネスは活況となるだろう。また、講演会やセミナー、展示会などには多くの人が押し寄せ、人と人が触れあうことのすばらしさを強く噛みしめながら、些細なことでも過大に感動するお客様が増えるはずである。

長い巣ごもりの反動で、お客様の感受性が非常に高まっているため、新規顧客が獲得しやすい環境といえる。体験教室やスタッフとのふれあいなど、人と人が接触して付加価値を高める“コト消費”が再び復活すると予想する。

ソーシャルディスタンスの影響で「人と人との距離感を保つことがスタンダードになっていく」という意見もある。しかし、新しい習慣が生活の中に完全に植えつけられるには、5~10年の年月が必要だ。世の中に男女という性があり、家族という組織がある以上、「触れあう」という習慣が消滅することは絶対にない。

ソーシャルディスタンスの習慣が身につく前に、新型コロナウイルスは収束すると思われるので、人と人が会わなくても平気な社会になることは考えにくい。もちろん、テレワークや余計な出費を減らす生活習慣は、今後も浸透していく可能性はある。

しかし、人との密なコミュニケーションがないことは不便が多く、気持ちとしても落ち着かない。収束後は再び濃厚接触が重視される世界に戻る可能性が高いといえる。

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