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「ピラミッド型」企業が時代から取り残されつつある現実

HRインスティテュート

2020年09月03日 公開 2022年07月22日 更新

 

求められる「羊飼い型」のリーダーシップ


逆さまのピラミッド

変化を先取りするためには、自らが自己変革を促す必要があります。これまでの人材マネジメントのあり方を見直し、新たな時代に即したマネジメントへと変革していかなければ、組織の魅力を保つことが難しいといえるでしょう。

こうした変化を踏まえた組織のあり方として、ハーバード大学のリンダ・ヒル教授が提唱している「羊飼い型のリーダーシップ」が注目を集めています。羊飼いのように背後からリーダーシップを発揮することで集団の力を最大化することを意味しています。

この考え方は従来のマネジメントを表すピラミッドを逆さまにしたことから「逆さまのピラミッド」としても知られています。従来のマネジメントと、これからのマネジメントのあり方を端的にピラミッドで比較した考え方です。

 

経営トップが最上位に存在する組織では、時代に振り落とされる

「逆さまのピラミッド」の図の左側は、従来のピラミッドに、トップからミドルへ、そして現場の社員へ、という指示系統が存在することを表しています。

顧客は一番下に位置づけられ、企業側が提供する商品やサービスは、顧客との対話で生まれるというよりは、企業側が考案し、開発することで生まれ、それが提供される、という構図です。

一方で、右側のこれからのピラミッドは従来のそれとは真逆で反対に表現され、顧客が最上部に位置づけられます。

顧客と最前線でやりとりする現場が組織の一番上に位置づけられ、そこで得られた情報をミドル、そしてトップにフィードバックし、その上で指示を受けて顧客に価値として提供する、ということが表現されています。

こうしたリーダーシップのあり方が求められる背景には、インターネットの浸透に伴う明らかなスピードの加速化、現場の多様化があります。

変化を先取りし、経営に結びつけるには、従来のようなトップが上に存在するピラミッド型のマネジメントでは不十分で、常に現場を筆頭に考え、それを周囲が支える構造を実現しなければなりません。

この考え方のシフトは、今、そしてこれから求められる人材マネジメントを考える上で前提となるものであり、重要なコンセプトともいえます。

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