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断ると怒る…しつこく部下を飲みに誘う“昭和型マネージャー”の思考回路

成田直人(ジャパンブルーコンサルティング株式会社代表取締役)

2020年05月25日 公開

《新型コロナウイルスの感染の拡大により、営業自粛や勤務時間の短縮、くわえて会社や職種によってはリモートワークの導入など、働き方も大きく変わってきている。また、近年の若者の考え方の変化もあり、マネジメントのやり方も新しい手法が求められている。

これまでに約250社2万人以上のマネジャーやリーダーに研修を行ってきた、『使えない部下はいない』の著者である成田直人先生に、部下育成のポイントをうかがった》

※本記事は、成田直人:著『使えない部下はいない』(ポプラ社)より、一部を抜粋編集したものです。

 

夜遅くまで付き合うのが部下の基本中の基本

「夜遅くまで付き合うのが基本」

この考え方を持った体育会系マネジャーはいまだに存在します。「無理に誘うとパワハラになるのでは?」と考え、発言そのものは遠慮していますが、考えとしては根深いように感じます。

大手保険会社のマネジャーと食事をしていた際に、ご本人はけっこうなお酒を飲み、毎回同じ話になります。

「今の若者は夜の付き合いが本当に悪い。1次会で帰るなんてありえない」と話します。飲む前はそんな話は一切しないのですが、本音がこぼれてしまうのでしょう。

毎回同じ話を聞くのも根気がいるのですが仕事の一部だと思って私は聞いています。でも若手社員は「プライベートの時間なのになんでマネジャーと遅くまで飲みに行かなければいけないのか? しかも毎回同じ話ばかり……」と思っているのです。

これまではマネジャーの誘いには付き合うのが基本中の基本でした。部下に選択肢もなかったため、帰って家族とけんかになることなんて日常茶飯事でした。

同じ職場のほとんどのメンバーが同じ行動をしていればそれが「普通」です。だから周りも違和感を持たないし、そういうもので片付いていましたが、今の時代は価値観が多様化しているため、仕事後も「やりたいことで溢れている」のです。

仕事後は副業や趣味、家事・子育てなどに時間を使う人が多くなったため、それが「普通」になり、むしろ夜遅くまで付き合うのが普通だという考えが異質になっているということです。

たしかに仕事でクライアントの幹部と食事に行った際などに見かける、おそらく同じ会社の人同士だなと思うグループはみんなおじさんばかりです。若手社員はうまくすり抜けているのでしょう。

このおじさんメンバーに「時代が変わった」ことをどれだけ説明をしても、「でも私が若手の頃は……」と始まります。たいがいこの手の執着タイプのマネジャーは問題が多いです。

新しい時代にフィットできないコミュニケーションスタイルを貫こうとするので、たとえば言葉遣いなども厳しいと聞きました。

最近は部下を呼ぶときも「○○さん」「○○くん」と呼ぶのが一般的ですが、「おい、お前」と偉そうな呼び方で呼ぶなど不評です。自分が受けてきたマネジメントを強要することで部下は萎縮し、そして離職をしていきます。

決して部下が根性なしなのではなく、マネジメント手法が時代にあっていないということになります。

普通と異質はいつでも過半数で決まります。これからもコミュニケーションの普通が変わっていくでしょう。いかにしてこの「普通」を見極め、部下と良質なコミュニケーションがとれるかがカギとなるでしょう。

いつでも柔軟な思考を持ってどの時代にいても部下に尊敬されて愛されるマネジャーでいたいものです。頑固が美徳ではなく、価値観が多様化したからこそ、柔軟性がマネジャーの必須スキルになるのではないかと私は思います。

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なんでも自分でやった方が早いと考える

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