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「すぐ反論してくる人」を封じ込めるための“頭の使い方”

小早川鳳明(企業再建プロフェッショナル)

2020年09月03日 公開 2024年12月16日 更新

MECE(ミーシー)と聞くと研修などで習った「MECEに分類しよう」といった言葉を思い浮かべるビジネスパーソンは少なくないだろう。Mutually Exclusive ,Collectively Exhaustiveの頭文字を取ってこう呼ばれるものである。

ビジネスにおけるMECEは「物事を細分化して考える」際に使用する考え方だと捉えられがちだが、それは間違いだと企業再建プロフェッショナルの小早川鳳明氏は指摘する。

小早川氏の新著『秒速で人が動く数字活用術』では、MECEを使う具体的なシーンを例にあげて解説しているが、本稿では同氏が「説明と反論」におけるMECEの使い方について触れた一節を解説する。

 

相手の反論を未然に防ぐために

「そもそもその計算方法おかしくない?」「こういう観点が抜けているから、その計算方法は間違えているのではないか?」と説明相手から反論を受けてしまうようだと、チームメンバーや組織を動かすことはできません。

このように、「その考え方だと、この観点抜けていない?」指摘を回避するために、「MECE」の考え方が大切なのです。MECEは、抜けやもれがあるかわからない、すなわち外枠(輪郭)を捉えることができていないシチュエーションで、特に活きてくる考え方なのです。

このように研修で習った考え方だけだと、ビジネスの現場においてMECEを適切に活用し仕事の質を高めることができません。ここでは、MECEをビジネスの実践現場で活かす方法をご説明しましょう。

MECEは、あなたが誰かに自分の主張を発信する前に、自分の主張が単なる思いつきの積み上げではないことを確認する、そして、網羅的にあなたが考えたことを相手にアピールする際に用いる考え方です。

MECEに考えておけば、反論・指摘をしてくる人間に対して、「もれなく全体を見据え複数オプションを考えたうえで、最適の提案をしている」と返答できるようになります。

そして、MECEを利用する際に重要なのは「全体像(すなわち輪郭)」を、捉えたいシーンで利用する」ということです。ビジネスの実践の現場で、全体像をとらえずに物事を意思決定してしまうと、重大な損失を生んでしまう可能性がありますが、MECEを用いてこれを未然に防ぐのです。

【MECEを用いず全体像をとらえていないために失敗しがちな例】

・すべて対策を行ったと顧客に説明したにもかかわらず、実は一部で対策もれがあることが後日発覚する

・すべての顧客に対して顧客セグメント別に新たな料金プランを検討したつもりが、一部の顧客について検討がもれていたことが後日発覚する

・市場調査の際に重大なセグメントがもれていたことが発覚し、金額が数千万円、億単位で損失をこうむる

・新規事業を立ち上げる際に、重大な許認可を見逃し、立ち上げコストをかけたにもかかわらず、いつまでたっても事業を開始できない  など

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重要な論点の漏れをなくす

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