まずは調整を…外国人上司に一喝された「日本人管理職の悪癖」
2020年02月10日 公開 2024年12月16日 更新
海外での会社経営に携わり、1000億円以上の⿊字化に貢献した企業再建プロフェッショナルの⼩早川鳳明⽒。ハーバード、MIT、外資コンサルなどグローバルトップリーダーが実践する経営の真髄を知る同⽒が、新著『⽇本⼈が知らないプロリーダー論』を発表した。
同書において、経営改⾰&再建の事例を紐解きながらマネージャーに求められる要素やノウハウを⽰しているが、部長・課長・チームリーダーに着任したばかりの者やチームを束ねたい者が初めに行わなければならないことにも触れている。本稿では同書よりその⼀部を抜粋し、紹介する。
※本稿は⼩早川鳳明著『ハーバード・MIT・海外トップMBA出⾝者が実践する ⽇本⼈が知らないプロリーダー論』(PHP研究所刊)より⼀部抜粋・編集したものです。実際の事例を基に設定を一部改変しています。
赤字続きの大手日本メーカーC社、香港企業に買収される
日本や海外のどこでも看板を見ることができる日本のメーカー。従来より売上の過半を占めていた日本国内市場では、韓国や中国の安価な製品が国内市場に流入したことで苦戦を知られていました。
C社は約十年間赤字を抱えており、この度、ついに香港の競合メーカーに買収されてしまいます。買収直後、日本に送り込まれてきたのは、数々の企業再建経験を持つ外国人プロリーダー達です。
有名MBAや外資系コンサルティング会社を卒業した新社長E氏、新経営企画部長K氏です。
送り込まれた外国人リーダーが怒った「日本人管理職の進言」
外国人新社長、新経営企画部長が着任早々取り掛かったのは全従業員に向けたスピーチの準備でした。
スピーチ準備の依頼を受けた日本人管理職らは、この新しい外国人リーダーのために全従業員向けスピーチ原稿を作成します。
日本人管理職が作成した原稿には、新社長や新経営企画部長が如何に素晴らしい経歴の持ち主なのか、どのような実績を持っているのか延々と記載しようとしていました。
また、日本人管理職は準備に万全を期すため、全社員へのスピーチは着任一か月後に実施するべきだと、E氏とK氏へ進言します。
しかし、これを聞いた外国人新経営企画部長のK氏は、日本人管理職からの進言を一蹴します。
「とにかく一刻も早いスピーチを行いたいんだ!」
「原稿の内容も、私の過去の経歴なんてどうでもいい、大事なのはビジョンや目標を伝えることだ!!」
と日本人管理職に向かって怒号を飛ばしました。