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クビ寸前の不人気講師が大逆転 奇跡の“日本一”を実現させた「読書術」

犬塚壮志(士教育代表取締役)

2020年09月26日 公開 2023年01月30日 更新

 

「3つのルーティン」で“超合理的”に読書する

読書効率を最大限に高めるためのルーティンというのは、次の3つになります。

1.問題意識の明確化
2.問題解決した後の理想像の設定
3.本から抽出した情報の活用

まず、現状に対する問題意識があり、問題解決した先には「こうなりたい」という理想の姿(成果が出た状態)があります。そこまで行くには、いくつかの問題をクリアしながら階段を上っていく必要があります。その一つひとつの階段に相当するのが、本から抽出する情報です。

自分にとって必要な情報を活用していくことで、問題解決へ向けた階段を上り、最終的には、読書前に設定した問題を解決した理想像にたどり着くことができます。この3つのうち1つでも欠けていたり、各要素に対する意識が低かったりすると、読書の効果は半減します。

問題意識がなければ、そもそも何から始めればいいか判断できません。また、問題解決した後の理想像を設定していなければ、自分にとって必要な情報が明確になりません。

さらに、抽出する情報を絞り込まないと、余計な情報にとらわれてしまい、ゴールまで最短距離で上っていくことができません。それでは、この3つのルーティンを読書する前に行うことで、具体的にどのような効果が得られるのでしょうか。

 

スキルアップの速さが、格段に上がる

たとえばセールスパーソンが、クライアント先で行われる大事なプレゼンの前に、本を読んでスキルを磨こうと考えたとします。

ここで問題解決した後の理想像が明確になっていると、たとえば、プレゼンとはほとんど関係のない、「会話が途切れないための雑談テクニック」のような本や章、項目を読まずに済みます。

当然、雑談のスキルは伸びないでしょうが、肝心のプレゼンスキルに絞り込めるため、スキルアップのスピードは上がり、提案そのものが通る可能性も高まるはずです。問題意識や問題解決した後の理想像が明確になっていれば、高い精度で本から抽出すべき情報を絞り込むことができるのです。

もし、このセールスパーソンが「プレゼンスキルの不足」を自分の問題として意識していなかったら、まったく異なるジャンルの本を読んでしまっていたかもしれません。

あるいは、問題意識が明確だったとしても、問題解決後にどんな状態になっていたいかが不明瞭だったら、「提案を通すためのわかりやすいプレゼンスキル」ではなく、「スティーブ・ジョブズのような聴衆を惹きつける華やかなプレゼンスキル」の本を読んでしまっていたかもしれません。

問題解決した後の適切な理想像を設定することができていれば、読むべき本・読むべき箇所を正しく選択できます。その結果、最適なステップを踏むことができ、プレゼンを成功させるという最終目標に最短でたどり着くことが可能になるのです。

 

「理系読書」で成功体験を積み上げられる

仕事に関連する実用書や専門書、ビジネス書を読む行為は投資だと考えています。娯楽目的で読む本以外は、仕事の成果につながる何らかのリターンを想定します。私にとって読書というものは、それほどシビアな学習手段であり、そしてエキサイティングなものだったのです。

読書前のルーティンを変えることで、読書から得られる成果を最大化させる。そんな合理的性を追求した読書経験をぜひ愉しんでいただけたらと思います。

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