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インテルが開発、Googleやfacebookが導入…先進企業が続々と採用する「OKR」とは何か

HRインスティテュート

2020年12月23日 公開 2024年12月16日 更新

新型コロナウイルスが世界を大きく変え、私たちの生活を変え、職場での働き方も変えた。

この大きな変化は企業における「人材マネジメント」のあり方に多⼤な影響を及ぼしている。社員やメンバーをどうモチベートし、育成し、企業活動を力強く円滑に導くのか…。激変する環境の中で頭を悩ませている⼈は多いだろう。

企業と社員、組織と⼈を取り巻く環境は大きな変化の途上にあり、誰にも正解がわかる状況ではない。まさに企業の経営者も⼈事部も、そこで働く社員もみな、手探りしながら考えている、という状況だ。

⼈材マネジメントの新しい潮流をふまえて解説した『この1冊ですべてわかる 人材マネジメントの基本』より、シリコンバレーで導入が進むマネジメント手法である「OKR」について触れた一節を紹介する。

※本稿は、『この1冊ですべてわかる 人材マネジメントの基本』 (日本実業出版社刊)の内容を抜粋・編集したものです。

 

従来の目標管理とは違う「OKR」とは

目標達成型組織をつくる、という観点から近年注目されている人材マネジメント手法の一つに「OKR(Objective and Key Results)」があります。米国企業であるインテルで開発され、GoogleやFacebookなどが導入しています。

内容はシンプルで、企業の階層ごとに「目標=Objective」を設定し、それが実現できたかどうかを示す「具体的な成果=Key Results」を決める、というものです。一見、従来の目標管理と同じに思えますが、これらとOKRには違いがあります。

 

OKRは従来のマネジメント手法と何が違うのか?

従来型の目標管理と比較した、OKRの特徴としては主に次の3つが挙げられます。

1点目は、目標の100%達成を前提としていないことです。

OKRでは、「ムーンショット」と呼ばれるような、大胆な目標設定を行うことで、達成に向けた革新的な考えや行動の変化を呼び起こします。また、目標は「達成すべきもの」よりも「全員で共有し、方向性を一つにまとめるビジョン」としての役割に重きを置きます。

2点目は、ボトムアップ型の組織をつくるための手法であることです。

組織全体・チーム・個人のそれぞれにOKRは存在しますが、合わせるべきは「方向性」であり、細かな数字の整合性ではありません。そのため、それぞれの目標=「O」や具体的な成果=「KR」は、他でもない「自分自身」が考えて、設定する必要があります。

3点目は、必ずしも人事評価につなげる必要はない、という点です。

現在OKRを導入している日本企業の多くは、OKRと人事評価を連動させていません。前述の通りOKRは目標達成よりも、これを通じたボトムアップ型の主体的な提案行動の活性化や、チームの一体感醸成などに主軸を置いているため、工夫なく評価につなげるとメンバーが委縮してしまう可能性が高まるからです。

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組織におけるOKRの全体像

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