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大企業は年間15億円の損失…調査で分かった「何も決めない会議が65%」の絶望

越川慎司(クロスリバー代表取締役社長)

2020年12月15日 公開 2022年07月12日 更新

「労働時間の43%が“社内会議”に費やされている」
「社内会議の目的の65%は“情報共有”」
「役員会議の準備に70時間」

こうした驚きの事実を指摘するのは、日本マイクロソフト業務執行役員としてPowerPointやTeamsなどOfficeビジネスの責任者等を務めた経歴も持つ、株式会社クロスリバー代表取締役の越川慎司氏。

同氏はアンケートや作業記録の解析による「ムダ」の数値化や、累計8000時間におよぶ会議の観察を通して、これまで623社の会議改革を支援してきた。

本稿では越川氏の新著『超・会議術~テレワーク時代の新しい働き方』より、社内会議のムダを定量化し、その対策について語った一節を紹介する。

 

43%の労働時間が社内会議に費やされる

弊社クロスリバーでは、これまで623社のクライアント企業を支援し、働き方改革を推進してきました。その内、業務委託によって長期にわたり支援を行なった企業の従業員数はのべ16.3万人です。

この16万人を超える従業員に対して、「仕事で、あなたはどんな作業に時間を奪われていますか?」というアンケートをとり、パソコンやスマホの作業記録の解析も行いました。すると、なんとトップ3の項目が、比率や順番こそ違うものの、共通だったのです。

それは、第3位がメールの処理、第2位が資料作成、そして圧倒的な1位が社内会議でした。

そして驚くべきことに、お客様との会議ではなく、社内会議のために、週の43%の時間を費やしていたのです。みなさんの中にも、「うちの会社は会議が多いなあ……」と辟易している人は多いでしょう。特に、大手企業になるほど、その傾向は強まります。

追加の調査を進めると、多くの従業員が「会議のための会議のための会議のための会議」を行い、「アジェンダ(検討項目)が設定されていない会議」や「目的がなく、会議室の椅子に座ることが目的の会議」もあることがわかってきたのです。

 

会議の時短を目指すには、不要な会議をやめる

社内会議の目的は、大きく次の3種類に分けることができます。

(1) 情報共有
(2) 意思決定
(3) アイデア出し

会議の時短を目指すには、会議時間を減らすことよりも不要な会議をやめることが重要です。そのためには、「なくすべき会議」をあぶり出さなければなりません。

その方法はとても簡単です。会議の主催者に、「この会議の目的は何ですか?」と聞けばよいのです。そして、目的の明確でない会議はやめてしまえばよいのです。

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会議の目的で圧倒的に多い「情報共有」

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