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「時間が足りないと感じる人」ほどスケジュールを崩壊させる理由

佐々木正悟(作家/心理学ジャーナリスト),大橋悦夫(実業家)

2021年01月03日 公開 2022年12月27日 更新

1セクションに、最低5%の余裕が必要

私の経験則でいうと、どんな時間で分割したとしても、1セクションの最低5%は余裕を見ておかないと、セクションの仕事は終わらなくなります。2時間、120分のセクションであれば、最低6分は余裕を見て仕事を見積もるべきです。

「120分で6分の余裕を見るなんて、かんたんだ」

と思われるかもしれませんが、2時間のセクションに、1時間54分の分だけの仕事を置いておくのは、とても難しいことです。

私たちは、けっこう欲張りです。それに、けっこう自分の能力を過信しています。私はもう5年以上「セクションをいっぱいにしないように見積もって、1日の予定を組む」ようにしていますが、実際には1時間59分とか、2時間7分といった見積もりで見切り発車せざるを得なくなっています。どれもこれも削れないのです。

そんなに生活に困っているわけではないので、そんなに仕事でキツキツにしなくてもいいのですが、現実はいつも「2時間のセクションは、2時間ちょうどに近い」という状況です。

 

プライベートでも、予定にゆとりを持たせるのは難しい

仕事だからそうなのだと思われるかもしれませんが、そうでもありません。先に挙げたプライベートのリストにしても、夜やる仕事は全然なくて、妻に言われたとおりのことだけをやるようにしています。これを書いている今であれば、次のようなことをします。

・娘を風呂に入れる
・夕食の準備を手伝う
・夕食を食べる
・夕食後に娘とトランプ遊びをする
・トランプ遊びのあいまに、かんたんに日誌をチェックする
・どうしても必要なメールだけに返事を出す
・家計簿をつける

やっていることはただこれだけですが、2時間はどうしても超えていきます。見積もりでも2時間1分といったところですが、現実には2時間15分程度になっています。

この2時間のセクションは、19時に始まり、21時に終わります。21時には娘といっしょに寝床に入り、寝かしつけする流れなので、1分といえども遅れたくはないのです。

だから、自分のことは日誌のチェックとメールチェックだけにしています。それでも、ほかのことはいっさいできないのです。しかし以前よりはずっとマシです。

お風呂に入ること。
髪を乾かすこと。
歯を磨くこと。

要するに、やっているすべての作業にかかる時間を見積もり、そしてかかった時間を実測しているからこそ「この2時間に自分のやりたいことは、ただの1つも、2分もできない」ということがわかったからです。

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「そもそも実現不可能な予定を立てている自分」を自覚する

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