コロナ時代の人脈作りに差を生む「自己紹介のフレームワーク」
2021年01月09日 公開 2022年10月25日 更新
“自己紹介”は人との交流において重要な役割を果たす。しかし、いざ自己紹介の時間になると、自分のことを話せない、あるいは、自分の肩書や実績ばかり強調して面白味がない人が多い。こう指摘するのは、"ゆるいコミュニティ"作りを支援する「100人カイギ」を主催する高嶋大介氏だ。
高嶋氏は、著書『新しい自己紹介 コロナ時代の人脈構築術』(impress QuickBooks)の中で、自己紹介の「100人カイギ流メゾット」を解説している。新しい紹介文を、人との出会いがより大切になるコロナ禍こそ、用意してみてはいかがだろうか。
※本稿は高嶋大介 著『新しい自己紹介 コロナ時代の人脈構築術』(impress QuickBooks)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
新しい自己紹介を簡単に「100人カイギ流メソッド」
「100人カイギ流メソッド」のフレームワークの全体像を把握していただきたいと思います。
【100人カイギ流メソッドのフレームワーク】
(1)この自己紹介を使う場面
(2)あなたが今熱心に取り組んでいること
(3)その取り組みをはじめたきっかけ
(4)その取り組みを今も続けられている理由
(5)その取り組みの先で叶えたい未来
(6)ここまで書いた内容の順番を並べ替える
(7)文章の体裁を整える
ワークは全部で7の工程に分かれます。(1)~(5)が自己紹介を作るうえでのいわば準備編、そして(6)(7)で自己紹介を完成させていきます。
それでは、実際に僕が用意した自己紹介のフレームワークに沿ってワークを実践してみましょう。
何を伝えるか?(=What)
(1)と(2)のワークでは、自己紹介で何(What)について語るか、というところを明確にしていきます。
【(1)この自己紹介を使う場面】
その自己紹介はどんな場面でする自己紹介なのか、具体的に参加する相手の状態や属性まで考えてみましょう。使う場面がイメージできれば、どんな自分の側面(役割・所属など)を出すかを決められます。
当然ですが、僕たちが自己紹介をするのは、仕事の場面だけではありません。たとえば、子どもの学校の保護者会では「○○の父・母の××です」と自己紹介する必要がありますし、趣味のサークルやボランティアでは「○○をしている××です」と自己紹介をしないと相手に首を傾げられてしまいます。
つまり、自己紹介は相手に合わせて(立場や肩書きを)カスタマイズしていく必要があるのです。ですので、自己紹介は1人でいくつもあるということ、そして同じ相手でも時間と共に変化していくということを覚えておいてください。
【(2)あなたが今熱心に取り組んでいること】
(1)で記入した場面での自己紹介で書いた「××の自分」は、どんなことに重きをおいて活動しているのか、具体的に書き出してみましょう。たとえば、ビジネスの場合は今一番力を入れているプロジェクトや大事にしている商品開発などです。
プライベート向けの場合は、自分が大切にしている価値観や自分が大切にしているもの・ことなどを書いてください。
ただし、些細なものでもかまわないので、何かしら自分の行動に紐づけるようにしましょう。悪い書き方の例としては、「みんなの個性を大事にすること」といったことを書いたとして、そこに自分の行動が伴っていなければ演説のような自己紹介になってしまいます。
【(3)その取り組みをはじめたきっかけ】
(2)で記入した取り組みを始めた当初のことを思い出してみてください。プロジェクトが始まった背景、製品を開発する際にきっかけになった課題や理由はなんでしたか? 現状を改善したい、もっと向上したいなど、何かきっかけがあったはずです。
たとえば「自分の知識や経験を提供することで、人の成長を感じることができたことがあったから」なども1つだと思います。
あなたが今取り組んでいる物事を始めた理由(原動力)は何か、今一度立ち戻って考えてみましょう。
【(4)その取り組みを今も続けられている理由】
きっかけを思い出したところで、どうして現在もその取り組みを続けられているのか、さらに自分を掘り下げてみましょう。
たとえば、「自分の得意なことで祖母を喜ばすことができた。自分が好きな本で、人に視点を変えるきっかけを与えたい」というように、子どもの頃のエピソードでもかまいません。
そこにはその行動を続けられている、あなたなりの考えや想いがあるはずです。