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「男性だけの会議」の大きな問題

石川幹人(明治大学教授)

2021年06月29日 公開 2024年12月16日 更新

「遅刻癖がやめられない」「夜に寂しくなってしまう」「後悔してばかり」…。このような「ついやってしまうこと」「できないこと」で悩んでいる人も多いでしょう。

じつは生物学的には、そうした行動や感情は人間の遺伝子に予め組み込まれており、「やめられなくても当然」であることが判明しています。このような、人間が「努力してもしょうがないこと」の秘密と対処法を、明治大学教授で、進化心理学の第一人者である石川幹人氏が解き明かします。

※本記事は石川幹人 著『生物学的に、しょうがない!』(サンマーク出版)より抜粋でお送りします。

 

占いに頼るくらいの慎重な意思決定の価値

「この人と結婚していいのだろうか」「どの会社に就職するのがいいのだろうか」「気に入った物件、今が買いなのだろうか」と、人生にはいろいろな岐路に立つ場面があります。

このように自分では判断がつかなくなったときには、占い師が頼りになります。優秀な占い師ならば、相談者のわだかまりを解消し、心の奥に秘めていた決断を察知して、背中を押してくれます。タロットカードも水晶球も筮竹もそれをうまく演出する道具です。

 

「子育て」役割が女性を慎重にさせて来た

占いに頼る傾向があるのは圧倒的に女性なのですが、それにも生物学的な理由があります。

男性は哺乳類の時代から「精子バラマキ戦略」なので、より多くの異性と関係を多く持ち、遺伝子を残そうとする傾向があります。そして、「あの娘とセックスできたらもう死んでもいい」などとつぶやくのです。実際、女性にゆだねて子孫を残す道筋が一応確立できたとすれば、役割を終えてもいいと感じるのです。なんとも自分勝手ですね。

向こう見ずな人も男性に多いですよね。冒険して、多少死んでしまっても、精子の数は十分にあるので、成功率の低いことにイチかバチかで挑戦するように男性は進化しています。一方で女性のほうは、自分の子どもを産んで育てないと子孫が引き継がれません。未来を考えて、自然と行動が慎重になるのです。

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