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先史時代から変わらない「穴があるとつい覗いてしまう」人間の原理

石川幹人(明治大学教授)

2021年10月19日 公開 2024年12月16日 更新

 

禁止されるほどやりたくなる理由

ところが、禁止されるほどしたくなる、ワクワク感が高まってしまうのが人間です。これは困難に立ち向かうときに必要な「冒険心の現れ」なのです。難しいことを乗り越えて目標に到達できたときほど、大きな達成感がありますよね。それが禁止によって生じてしまうのです。

若者ほど、制限時速を超えてバイクを走らせてみたくなったり、禁止されているタバコやギャンブルに手を出してみたくなったりする傾向があるのも、若いほど高い冒険心の表れです。

このように、私たちが本能的に持っている心の働きが現代社会のルールと合わないことも少なくないわけですから、自分はワクワク感が高めだなと気づいた人は、バイクやギャンブルに近づかない工夫をするのがよいですね。

 

SNSは現代の穴でもある

また現代では、「のぞき」をしていなくとも、たまたま他人の秘密を知ってしまうことがあります。SNSなどで特定の人向けの内輪の話が、誰かの操作ミスなどで間違って聞こえてきてしまったという場合です。

これは現代社会に特有の「穴」にあたります。間違って聞こえてきた内容をもとにした噂話は、確かにワクワクするものですが、たまたま知ってしまった「他人の秘密」を誰かに話したくなっても、同様にがまんする必要があります。

秘密を明かされた人がとても苦しい気持ちになる可能性を考えて、自分の行動を決めるようにしましょう。

 

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