「なんで勉強せなあかんねん!」 弟の問いに中学生だった長男・菅田将暉が出した答え
どうしていま勉強をしなくちゃいけないのか
我が家は決して学力偏重ではありません。子どもたちが社会に出たとき、自分の願う人生を歩んでいくためには、そして地域や社会に貢献できる人間になるためには、もっと大切なことがあると思っていたからです。具体的には、人のいいところを見つけたり、困っている人がいたら助けたり、創造力を発揮して自分で人生の楽しみを見出したりといったことです。
子どもが大人になったとき、自分にはこういうところが足りないから身につけようと自ら努力することはできますが、子どものうちに身につけておいたほうがいいことを授けるのが、私の、母親としての役目だと思っていました。
あるとき次男が「なんで勉強せなあかんねん!」と言い出したことがありました。
「将来の選択肢を増やすために、いま勉強するんや」
そう答えたのは、当時中学生の長男でした。彼は父親に言われて渋々勉強していたわけでなく、"何のために勉強するのか"をわかって励んでいたのですね。次男も納得したようです。
こういうことは親よりも、年の近い兄弟から言われるほうが効果があります。大人になってから「ああ、あのときもっと真剣に勉強していれば」と思った経験は、多くの人にあると思います。長男は誰に言われたわけでもないのに、それを知っていたのです。
我が家はお互いにリスペクトし合う最強のチームです
家族といえど、自分とは違うひとりの人間。私はこうしたいと思っているけど、この子は何を求めているんだろうということを、子どもたちが言葉をしゃべれないうちから考えてきました。子どもたちも、自分がまだ幼いうちから下の子の面倒を見ているため、そんなふうに考える習慣がついています。
また、家族はひとつのチームのようなものだと思います。誰かが弱っていたら声をかけ、誰かにいいことがあればみんなで喜ぶ。いま彼らは、自分のすぐとなりにいる人を大事にできる人間に育ちましたが、それは親から一方的に授けたものではなく、彼ら自身もまたそんな人間でありたいと努め、兄弟同士で切磋琢磨してきた結果なのだと私は信じています。
彼らはこの先、さらに羽ばたいていくでしょう。子どもが伸びるかどうかは、親がそれを信じられるかどうかにかかっていると思います。私は彼らを全力で信じているので、彼らが飛躍しないわけはないのです。これからも三者三様、個性をときにシンクロさせ、ときにぶつけ合っていくであろう3兄弟。親はいつまでも親ですから、これからも見守り続けます。