「壁をつくっている人」にならない
若い友人がこんなことを嘆いていたことがありました。
「よく壁がある、話しかけづらいって言われるんです。自分では仲良くなりたいのに、職場の輪に溶け込めず、気がつけば"ぼっち"のことが多くて……」
私もかつて、そんな状態だったので、その気持ち、よくわかります。みんながワイワイやっている話に入れなかったり、一人だけランチに誘われなかったり……。
かつての私も含めて、「壁をつくっている人」には、なんらかの原因があるものです。
たとえば、「自分のことを言わない」「丁寧すぎる敬語」「感情表現が乏しい」「テンションの高い人を醒めた目で見ている」……というように。
私の場合、「まわりは、自分のことをさほど気にしていない」と開き直ってから、人との関係がうまくいくようになりました。
壁をつくっているときは、「自分はどんなふうに思われているんだろう」「なにを話せばいいんだろう」「嫌われているんじゃ……」と"自分"に意識が向いていて、人と関わることへの"恐怖心"がありました。
余計なことばかり考えていると、体中からマイナスオーラが漂って、話しかけたくない雰囲気をつくり出してしまいます。
「普通に接して、嫌われたらしょうがない」と考えると、気がラクになります。
意識を"自分"ではなく、"まわりの人"に向けて観察し、そのなかで自分のできることをしていけば、自然と人のなかに入っていけます。
人の話を熱心に聞くこと、にこやかにあいさつすること、顔を合わせたときに「この前はありがとう」と伝えることなど、あたりまえのことを丁寧にするだけでも、お互いの心の壁は崩れています。
また、「つくり笑いをせず、表情は豊かに」「自分の意見はちゃんと伝える」「少しは弱音を吐いてもいい」など、できるだけ素の自分で接しようとすると、肩の力を抜いて話せます。特別なことをする必要はありません。
壁をつくりがちな人は、考えすぎず、できることを丁寧にやっていきましょう。