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いつまでも「手が老けない人」が実践する食習慣

阿保義久(外科専門医・脈管専門医、北青山Dクリニック院長)

2022年08月04日 公開 2024年12月16日 更新

私たちの体は、毎日の食生活で摂った食べものをもとにつくられています。静脈をはじめとする血管や血液の状態も同様で、食習慣の影響を大きく受けます。

老け手の原因の1つであるハンドベインもまた、日々の食生活を見直すことで改善・予防することができると、外科専門医でハンドベインの専門医として第一線で活躍する阿保義久氏はいいます。

本稿では、阿保氏の著書の中から、日々の生活で見直したい食習慣より厳選した「3つ」のポイントをご紹介いたします。

※本稿は、『「老け手」解消! 手・腕に浮き出る血管はこうして改善する』(PHP研究所)より、一部抜粋・編集したものです。

 

ハンドベイン改善のカギは「食習慣」

ハンドベインを改善・予防するには、日常の生活習慣を見直すことがとても大切です。特に重要なカギを握っているのが、食習慣です。

私たちの体は、毎日の食生活で摂った食べものをもとにつくられています。静脈をはじめとする血管や血液の状態も同様で、食習慣の影響を大きく受けます。

血管を元気にする食事(栄養素)については、動脈に関するものはよく目にしますが、静脈に対する研究は、それほど進んでいないのが現状です。それでも、近年になって下肢静脈瘤と栄養素の関係が注目されるようになり、研究報告も増えてきました。

私自身、食事の観点から下肢静脈瘤の改善を目指す書籍を、2016年に上梓しました。おそらく、一般書としては日本で初めての試みだったと思います。

ハンドベインと下肢静脈瘤は、発症の仕組みなどがまったく異なります。しかし、同じ静脈のトラブルですから、食習慣の影響については共通している部分が多くあります。

どのような食習慣が静脈に悪影響を及ぼすのか? あるいは、どのような食品を選択すれば、静脈をいつまでも健康に保つことができるのか?

この2点について、日々の診療の中でも栄養学的な側面から患者さんによくお話ししています。

ハンドベインは病気ではありませんが、ハンドベインを改善・予防する食習慣を実践することは、全身の健康増進にも役立ちます。さらには、老化の進行を抑制する「アンチエイジング」にもつながります。

静脈を元気にする食習慣を支える食材は、どれも身近にあるものばかりです。具体的な食材を挙げて静脈との関係を説明していきますので、ぜひ毎日の献立の参考にしていただければと思います。

 

「ビタミンP」は血管を丈夫にする主役

加齢などによって静脈の壁が薄くなると、伸びてふくらみやすくなります。そこに血液が滞留し、手や腕の皮膚に血管が浮き出てくるのが、ハンドベインです。

ハンドベインを改善・予防するには、静脈の壁をしなやかに保つことが最優先課題と言えます。

そばをはじめ、アスパラガス、イチジク、ナス、ホウレンソウなどに含まれている「ルチン」は、血管を丈夫にすると同時に、血中脂質の増加を改善して血液をサラサラにしたり、血流を促したりする作用があります。

同様の効果が、ゆずやキンカンなどの柑橘類の皮・袋・筋に豊富な「ヘスペリジン」にもあり、ルチンとヘスペリジンはビタミンPと総称されます。

また、ビタミンBとDは血管の再生・成長・増殖に貢献します。

肉類や魚介類、卵、乳製品に含まれるビタミンB群(ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)は互いに協力しながら、エネルギー代謝や細胞の再生・成長促進に関わっています。

静脈の血管を丈夫にするうえで、ビタミンB群は心強い味方です。手の皮膚の若々しさを保つ原動力にもなります。

魚に含まれるビタミンDは、骨を丈夫にする栄養素として知られていますが、血中カルシウム濃度を一定に調整し、筋肉の収縮を健康に保つ働きもあります。これも、静脈の流れをよくするうえで役立ちます。

ビタミンDの豊富な食品としては、イワシ、サンマ、カジキマグロ、サーモン、しらす干しなどがあります。

ビタミンDを摂取したグループは、ビタミンDを摂取しなかったグループにくらべて、下肢静脈瘤の現出面積が縮小したという研究報告も出ています。ハンドベインの改善・予防にも大いに期待が持てます。

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女性ホルモンのバランス整える「大豆食品」

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