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残念な上司が使いがちな「部下からの人望を失う言葉」

伊庭正康(らしさラボ代表)

2022年08月12日 公開 2024年12月16日 更新

 

なぜ、人がついてこないのか?

人望がないリーダーにはなりたくないものです。人望のない人は、次のような言葉をよく口にします。

「...をやらせる」「...をしてくれない」こういう上司は、今の時代は人を動かすのが難しくなっています。

なぜなら、今は「納得感」を大事にする時代だからです。このようなセリフを言う上司は、「つべこべ言わず、思ったように動いてほしい(自分の部下なんだから)」と考えていることが多く、もはや時代錯誤なのです。

そして、部下が思うように動いてくれない場合、彼らはこう思います。「ダメな奴。面倒だ」と。そりゃあ、人は離れますし、その結果、孤独を感じるわけです。

もちろん、自分の主義をつらぬく一貫性は必要ですし、やってもらわないと困るわけですし、現に昭和生まれのリーダーたち(バブル世代まで)はこの感性で育ってきています。ですので、先ほどのセリフも違和感を持たずに使っていました。

でも、時代は猛烈なスピードで変化をしています。今の時代、職場を出ていくのも自由。むしろ、その先には、いくらでも「納得感」を大事にしてくれる会社があるでしょう。

なので、「この上司、ちょっと違うな」と思われたら、そこで終わり。その人も、それを見ている周囲の人も、その職場から離れていくわけです。そうなると結果も出せず、当然、ますます孤独感を感じることになります。

 

部下を「プロ」として敬う言葉を

話は脱線しますが、最近、ちょっとした法則かも、と思えることを見つけました。飲食店で店員への言葉遣いが横柄な人は、自分の部下にも横柄に接する、と。

「ねえ、まだ?(注文を取りにくるのが遅くなった時)」
「(フォークを落とした時)店員に持ってこさせたらいいじゃん」

という人は、部下にも同じように雑な言葉で接していることが多いのです。"立場ありき"ゆえ、1人の「人」として尊重する感覚を持てないのです。こうはなりたくないものです。

さて、話を職場に戻しましょう。まず、誰に対しても「立場」ではなく、相手を「プロ」として敬うことから始めねばなりません。具体的には、自分の口ぐせに細心の注意を払ってみてください。

参考になるのはヤマトホールディングスの「逆ピラミッド」の組織図。同社のホームページにこんな一節があります。

「ヤマトの組織図は逆三角形です。1番上はお客様、その次に位置するのは、最前線で荷物を運び、お客さんと接し、新商品を開発するセールスドライバーたちです。経営陣は彼ら最前線のバックアップです。現場に大半の権限移譲を行っています」

部下1人ひとりを「プロフェッショナル」として認める好事例ではないでしょうか。部下を自分の所有物のように見てしまうと、孤独感を感じることが多いでしょう。一方、相手を「プロ」として認めることができれば、孤独感を感じることはなくなります。

 

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