300年読み継がれる健康書が記した「最も身体をむしばむ2つの感情」

用心すれば病気はかなり予防できる

病気の原因は体の外にも中にもあり、風、寒さ、暑さ、湿気は体の外から健康を損なう。気候は人の力では変えられず、そのせいで命を落とすのは防ぎようがないが、だからといって身を守ることを考えないのは怠慢であろう。そもそも体の抵抗力が高ければ、気候が厳しくても元気に乗り切れることが多いものだ。

これに対して、食欲、色欲が過ぎて体の中から病気になるのは自分の過ちである。怠慢と過ちを避けたいなら、用心することだ。

怒りと欲求は養生の大敵である

人の感情のうち、最も健康をむしばむのが怒りと欲求である。怒りは心を焼き、欲求は心を溺れさせて、いずれも気力と体力を奪い去る。慎重にコントロールしたい。

我慢するだけが養生ではない

体は弱いものだ。金属や石でできているわけではないから、正しい防御法を理解していなければ、内外からの攻撃を防いで長生きすることはできない。

食欲や怒りの感情など、体内で生まれる欲求と感情に勝つには、猛将が敵をなぎ倒すがごとく心を奮い立たせ、強く自制することだ。

一方、寒さや暑さなど、体外にある悪い生活環境に我慢は禁物だ。城を固く守るがごとく油断なく敵を防ぎ、引くとなったら、すばやく退却すべきだろう。

内からの敵とは勇敢に戦い、外からの敵には慎重に対処するのがよい。