村上憲郎・元グーグル日本法人社長の 「営業・商談」でのモノの言い方
2013年03月01日 公開 2023年01月23日 更新
村上流 できる大人の話し方
〔1〕どんなときでも相手の立場に立ってみる
相手に届くのは、巧みな話術ではなく真摯な姿勢だ。とはいえ、「相手の気持ちを理解する」「相手に共感する」といったアプローチはむしろ傲慢。「相手のポジションに置かれた自分」の考えを愚直に語ること。すると、同意はしてもらえないとしても、相手に信頼され、きちんと耳を傾けてもらえる話し手になることができる。
〔2〕文章の構造、骨組みに気を使う
さっきまで一般論を話していたのに、いつの間にかある案件の話になっている……といった論理構造が不明瞭な話し方にはうんざりするもの。「まず一般論として」「次に、今回の事例について」「なお、本題とは少しずれますが」など、いまどのレベルの話をしているのか、次にどんな話題に移るのかを明示しながら話すことで、相手の納得感は高まる。
〔3〕自分を大きくみせようとしない
話すことに苦手意識がある人の足を引っ張っている元凶が緊張。緊張をもたらすのは「自分を大きくみせたい」「実際より優秀にみられたい」という虚栄心だ。だが、「軽んじられない喋り方を……などと思っている人はたいてい薄っぺらくみえる」(村上氏)。相手の評価が最も高まるのは、普段の自分のままで話せたときなのだ。
村上憲郎(むらかみ・のりお)
〔株〕村上憲郎事務所代表取締役/元グーグル日本法人社長
1947年、大分県生まれ。1970年、京都大学工学部資源工学科卒業。日立電子〔株〕にて、ミニコンピュータのシステムエンジニアとして勤務したのち、日本DEC〔株〕に転職。インフォミックスソフトウエア〔株〕の副社長兼日本法人社長、カナダの通信機器会社のノーザンテレコムジャパン社長などを経て、2003年、グーグル米国本社副社長兼日本法人社長に就任、2009年より同名誉会長。2010年12月で名誉会長退任。