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放っておくと危ない! あの病気の「意外な予兆」

市川純子(医学ジャーナリスト)

2015年09月30日 公開 2023年09月13日 更新

 

二の腕が痛い...「肺がん」の可能性!

肺がんが肺尖部(上のほう、てっぺんの部分)にできた場合、しつこい咳や息切れの他、神経が圧迫されて二の腕にしびれを伴う痛みが出ることがあります。その他、痰、血痰、胸の痛み、顔の腫れといった症状が現われることもあります。

肺がんは、2013年の統計で、死亡数が最も多いがんです。初期には自覚症状がなく、また、進行が速く転移もしやすいなどの特徴があり、「難治がん」の代表とされています。

腕が痛む場合は、まずは整形外科を受診してください。そこで骨や関節に異常が見つからなければ、呼吸器の病気を疑ってみるべきでしょう。

 

まぶたが下がる...「脳動脈瘤」の可能性!

老化によって、まぶたが下がり、目が開けづらくなる、という現象もありますが、実は病気が潜んでいる可能性もあります。

脳動脈瘤は脳の動脈の一部がコブ状に変化したもので、できても症状が現われないのが一般的ですが、大きくなった脳動脈瘤に動眼神経が圧迫されることで、片方のまぶたが下がることがあるのです。

内科を受診して、老化によるものだと診断されたら眼科を、脳動脈瘤が疑われるなら脳外科を受診してください。もし脳動脈瘤が破裂すれば、クモ膜下出血を起こし、生死に関わることもあります。

 

急な高熱...「腎盂腎炎」の可能性!

悪寒を伴う高熱に急に襲われると、「インフルエンザかな?」と思う人が多いでしょう。しかし、腎盂腎炎でも急な高熱が出ます。高熱が出たら必ず内科を受診し、加えて頻尿や血尿、排尿痛など膀胱炎のような症状がある場合は、腎臓内科や泌尿器科を受診してください。

腎盂とは腎臓と尿管をつなぐ部分です。ここで細菌が増えることで炎症が起き、腎臓にも及ぶのが腎盂腎炎。膀胱炎から移行するケースが多く見られます。慢性化すると慢性腎不全になり、重篤な症状が出ることもあるので、投薬をしたり安静にしたりして、きちんと治療しましょう。

 

指先がいつも冷たい...「膠原病」の可能性!

寒さや冷たさ、精神的な緊張によって、四肢の先端の血管が発作的に収縮することで、手指が白くなり、そのあと紫から赤へと色が変化する現象を「レイノー現象」と呼びます。このとき、冷感を伴うことがあります。

レイノー現象があっても約7割の人には基礎疾患はないのですが、残りの人には膠原病や動脈硬化性疾患などの疾患があると考えられます。

膠原病とは全身の血管や関節、皮膚、筋肉などに炎症が見られる病気の総称で、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの病気が含まれます。多くはステロイド薬で治療できます。

 

やる気が出ない...「睡眠時無呼吸症候群」の可能性!

会社に行こうとしても身体が重く、やる気が出ない。日中なのに頭がボーッとする。夜もよく寝られない。もしかして、うつではないか……。

そんな症状が出ているときは、睡眠時無呼吸症候群かもしれません。寝ている間に、気道がふさがって呼吸が止まる状態が繰り返し起こっているのです。大きないびきを伴い、夜中に何回もトイレに立つのも特徴です。

原因は肥満や扁桃腺の肥大、巨舌症、あるいは顎が小さいために気道がふさがりやすいことなどです。放置すると糖尿病や心筋梗塞、脳卒中などを引き起こすことがあるので、専門医に相談しましょう。

 

疲れて動けない...「慢性疲労症候群」の可能性!

慢性疲労症候群とは、強い疲労感や頭痛、脱力感などの症状が、ある一定期間続く病気です。

微熱、悪寒、咽頭痛、頸部あるいは腋窩リンパ節の腫脹、筋力低下、筋肉痛や不快感を併発することもあるとされています。

国内にもかなりの患者がいると推定されていますが、あまり知られていないため、周りの人から「怠けている」と思われてしまうこともあります。

原因はわかっておらず、診療をしている病院はあるものの、治療法は確立されていません。厚生労働省が実態を把握するための調査を始めています。

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