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生き方

相手と“うまくいかない”のは、あなたの「質問」のせい

ピョートル・フェリクス・グジバチ (著)

2019年07月25日 公開 2022年06月14日 更新

 

理想のデートか、それとも拷問か

自己開示はなぜ必要なのか、改めて考えてみます。

「自分はこんな人間で、こういう価値観をもっていて、こう行動するんですよ」

このように自己開示しておけば、周りの人たちも、その人に何を期待すればいいのかがわかります。しかも、周りの人たちがその人の好みや要望に勝手に合わせてくれるようになります。つまり、周囲の期待とすり合わせるために自己開示をするのです。

これは、何も特別なことではありません。あなたも普段の生活ではごく自然に行っているのではないでしょうか。

たとえば、恋人とのデートプランを考えるのに、「どうすれば恋人を喜ばせることができるかな」と考えを巡らすような場合。恋人が事前に「わたしはこんな時間を過ごすのが好き」「食べ物はこれが好き」などと話してくれていれば、恋人が喜ぶデートプランをつくりやすいですね。

反対に、恋人の好みや行きたい場所がわからないままでは、デートプランづくりは難航します。自分がよかれと思って選んだレストランで、恋人の苦手料理が出てきたら最悪です。相手にとっては拷問の時間になるでしょう。

特に、食の好みは人それぞれです。ホストのおもてなしを無下にしないためにも、食に関する自己開示はぜひやったほうがいいです。僕も食事会のお誘いを受ける際は、アシスタントが僕の好き嫌いをホスト側に伝えてくれています。

こうした日常レベルのちょっとしたことも、自己開示しておけば摩擦や衝突を避けることができ、良好な人間関係を築きやすくなります。

 

勇気を出して自分をさらけ出そう

冒頭に「日本人は自己開示が苦手」と書きましたが、それは「日本人の自己認識が乏しいから」ということができるでしょう。

自分のことがよくわからないから、自信がもてずに自己開示ができない。あるいは、自信がないから、人の目が気になって、「こんなことを言ったら笑われるんじゃないか」などと周りからの反応を恐れているのかもしれません。

しかし、自己開示に対してネガティブな反応ばかりではありません。あなたの考えに共感し、今のあなたを認めてくれる人が必ずいます。

ですから、自分のことをうまく説明できずに尻込みしている人も、思い切って自己開示に踏み出してみる価値はあると思うのです。

とはいえ、ネガティブなフィードバックを受けると凹む気持ちも理解できます。そこで、ポジティブなフィードバックを得るための、ちょっとしたコツを伝授しましょう。

ポジティブな聞き方をすればいいのです。

よい面に光を当てて、成長や未来につながる情報を聞き出すのがポイントです。反対に、ネガティブな聞き方をすれば、あまり聞きたくない、耳の痛いコメントが返ってくることになります。

▼ポジティブな聞き方例
「こうしたいと思っているのですが、もっとよくするにはどうしたらいいと思いますか?」
「この件、○○さんならどう対応しますか? 教えていただきたいです」
「わたしの強みは何だと思われますか?」

▼ネガティブな聞き方
「こうしたいと思っているのですが、問題点があれば指摘してもらえませんか?」
「わたしの対応の、どこがマズかったのでしょうか?」
「わたしの直すべきところを教えてください」

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