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恥ずかしい! 情報分析力がゼロ! あらゆるガセネタに簡単に騙される人の3大落とし穴とは?

ムーギー・キム

2020年03月19日 公開 2023年10月13日 更新

 

「科学的エビデンスありますか?」に要注意

ムーギー・キム

第3に見破りたいのが、「科学的エビデンス」というトリックだ。このエビデンスという言葉を賢げに多用する人がいるが、中身を見ると何の証拠にもなっていないことも少なくない。

往々にして、2つの集団の間に95%の信頼水準で統計的に有意な差が見られたかどうか、などといった集団間の比較分析が多いのだが、それを神のごとくありがたがる人が多いのは、それこそ新興宗教を見る気分である。

中でも聞いただけでこちらが顔を赤らめて恥ずかしくなるケースでは、何をレビューさせても「それは科学的エビデンスに基づいていないです」としか言えない人もいる。

実際の話を言うと、データ分析で集団全体の傾向に差があったからと言って、それが個別の自分の事例に当てはまることを意味するわけではない。仮に炭水化物カットで痩せるという「科学的エビデンス」があったからといって、糖分の分解や排出機能は個々人で異なり、自分には当てはまらないことも十分にある。おまけに「痩せる」という評価指標を超えた総合判断をしたら、健康を害しているかもしれない。

そもそもデータ分析では、データの選定方法や結果判定基準の設定法で、いくらでも結論ありきの主張に「科学的」というオーラをまとわせることができるのである。

これが環境問題やたばこの健康被害、特定の治療法の効果測定などで、科学的分析をしているはずなのに、推進派と反対派で結論が正反対になる理由だ。

ちなみに「専門家」「法的根拠」「科学的根拠」という3つのトリックすべてにだまされる人を「ハットトリック」と呼ぶことをご存じだろうか?

しかし、このように寒く寒くすべってしまった冗談を真に受けて炎上する人も、メディアリテラシーが低いと言わざるをえないということに、気をつけよう。

(教訓)
正しそうな印象を与える「根拠」に、安易にだまされてはいけない。専門家、法律、科学的エビデンスも、トリックが多いと心得よう。また、単なる冗談を真に受けないようにしよう。

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