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お金と時間がこれほど無駄に!? 今すぐ「片付け」を始めたくなる"4つの質問”

大村信夫(片付けパパ)

2020年08月21日 公開

 

200日間バイトをしたらいくら稼げるか

では次に、約200日(4800時間)という長さを実感していただくために、簡単な計算問題を解いてみていただきたいと思います。

【質問(3)】時給1,000円のアルバイトを4800時間行うと、お給料はいくらになりますか?

【正解(3)】480万円

もちろん現実ではこんなふうに単純にはいきませんが、シンプルに探し物という全く生産性のないことをする時間を金銭的に置き換えると、こんな結果になってしまうのです。

仮にもっと時給の高い仕事をしていれば、失う金額はさらに増えます。もったいないですよね? 数字的根拠から見ても、「探し物って無駄なんだ」と納得いただけるかと思います。

ではここで、探し物についてもうひとつ質問です。今度は「仕事中に」というシチュエーションで考えてみてください。

【質問(4)】ビジネスパーソンは、1年間で仕事中にどのくらいの時間探し物をしているでしょうか?

(1)35時間
(2)65時間
(3)150時間

【正解(4)】(3)150時間

ちなみにこれは、アメリカで整理術のカウンセリング会社を主宰する、リズ・ダベンポートが出版した『気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ』で、冒頭で紹介されている統計によるものです。具体的には下記のように書かれています。

「―平均的なビジネスマンは探し物をするためだけに1年間に150時間を浪費している―は実にショッキングだ。実に1ヵ月弱は何かを探し回っているということになるのだから」

続いて、経営視点でも片付けの効果を考えてみましょう。1人のサラリーマンが「仕事中に150時間も探し物をしている」とはどういうことなのか、コスト(費用)に置き換えるとわかります。

 

経営視点で見たときの探し物のコスト(費用)

【1】サラリーマンの平均年収:441万円(国税庁 平成30年分民間給与実態統計調査)

企業の立場から見ると社員の人件費は給与の1.5~2倍
→約800万円が年間1人のサラリーマンを雇うコスト

【2】年間240日勤務(1日8時間)⇒「150時間÷1920時間=7.8%」
→探し物は年間労働時間の7.8%

その約800万円のコストのうち、7.8%が探し物

毎年社員1人あたり約60万円が、探し物を探すという、全く生産性のない時間(費用)に費やされている!

日本企業の平均的な利益率を5%とすれば、60万円の無駄なコストは1200万円の売り上げアップによって、やっと充足できるもの……。社員1人あたり毎年1200万円(月100万円)の売り上げをプラスで積み上げるって、結構大変ですよね……?

それが探し物の時間をなくすだけでよくなるわけなので、経営視点でも「探し物の時間とはいかに無駄であるか」がご理解いただけるかと思います。

余談になりますが、私は作家の遠藤周作さんを尊敬しています。遠藤先生の著書に『人生には何ひとつ無駄なものはない』という本があります。私も大好きな1冊なのですが、敢えて一言だけ申し上げたいことがあるとすれば、『人生には探し物の時間ほど無駄なものはない』ということです(笑)。

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