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世界のサッカー界には“替わり”が山ほどいる…日本人が生き残るために必要なプロ意識

中山雅史(サッカー選手)

2020年10月22日 公開 2023年02月08日 更新

世界のサッカー界には“替わり”が山ほどいる…日本人が生き残るために必要なプロ意識


(撮影:荒川正臣)

サッカー日本代表の試合や選手が連日ニュースに取り上げられている。今では海外に挑戦し、華々しい活躍をしている選手も多い。しかし世界との差はまだまだ縮まってはいないようにも思える。世界で勝つためには日本サッカーに何が足りないのか――。

元日本代表・ゴン中山こと、中山雅史氏の新著『再起は何度でもできる』より、日本代表、世界との差、そして監督について熱く語った一説を紹介する。日本サッカーが世界で勝つために必要なこととは何か。

※本稿は中山雅史著『再起は何度でもできる』より一部抜粋・編集したものです。

 

“個の力”が無くても良い

サッカー選手としてのプライドには、二つのパターンがあると思う。一つは、「俺には俺のサッカーがある。それができるからいいんだ」「FW(フォワード)であれば守備をしなくてもよい。ゴールさえ決めればいいんだ」という個人主義的なプライドだ。

和を重視する日本人から見れば「自分本位」と映るかもしれないが、僕はそれでもいいと思っている。

クリスティアーノ・ロナウド、リオネル・メッシらのように自分で突破してゴールを決められる選手であれば、監督はその選手を中心にチームをつくってくれるし、他のメンバーもその選手に合わせてくれるからだ。

メッシの試合中の走行距離は他の選手より少ない。試合中に自陣まで戻って守備をするのではなく、ゴールを決めるプレーに徹している。

もう一つは、「監督に要求されたことを全うします」というプライド。チームにおいては、スーパースター以外の選手は“その他大勢”だと僕は考えている。

僕自身もそうだ。自分のプレーをすべて正確にできるなら、個人主義的なプライドをもつことができたのかもしれないけれど、とてもその領域には達していなかった。

そういう選手がチームに入り、ピッチに立って戦うためには、「監督が要求することをしっかりやります。そのなかで自分を表現します」というプライドを常にもってプレーしなければいけない。

監督の要求は絶対だ。それをまず全うしてチームの勝利に貢献しながら、だんだんと監督の信頼を得ていく。そのなかで、自分のやりたいプレーと監督の要求にどう折り合いをつけるか、どうすれば自分をアピールしていけるのかを考え、自分のやりたいプレーを出していく。

そういう気持ちをもつことは、“その他大勢”としては当たり前だと考える。どんな試合でも、いちばん大切なのは自分がシュートを決めることではなく、チームが勝つことなのだから。

なかにはパートナーの動きを見ず、自分のゴールに直結する動きだけをする選手もいる。FWにはそれぐらいのエゴが必要な部分もあるから、その場合は周りにいる仲間がどれだけ衛星的な動きができるか、ということになる。

特に日本では「互いに力を出し合おう」と強調されるから、衛星的な動きを要求されることが多い。世界を舞台にした場合は、まだ相手と互角に戦えるレベルでないならば、一対一で勝てないものは二対一、あるいは三対一にするしかない。

当然、選手はその分走る量が多くなるが、勝つための選択肢がそれしかないのならば、受け入れて「監督が要求することをしっかりやります。そのなかで自分を表現します」というプライドをもち戦うしかない。

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世界との差は「自分の“替え”はいくらでもいる」に早く気付けるか

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