元乃木坂46・中田花奈「アイドル辞めた後は、金銭的にも不安だから…」

投資の世界では知らない人はいない、ウォーレン・バフェット。投資の神様とも称され、ついに日本企業に大金を投じたことが大きな話題にもなった。

本稿では、元乃木坂46の中田花奈さんが受けた特別講義を書籍化した、『「バフェットの投資術」を学んだら、生き方まで変わった話。』から、中田さんも唸る、バフェットのマネー哲学を紹介する。

※本稿は中田花奈・濱本明（共著）『「バフェットの投資術」を学んだら、生き方まで変わった話。』（PHP研究所）の一部を抜粋・編集したものです。

お金持ちになることは成功ではない？「バフェットの幸福論」

【濱本】バフェットは、数々の失敗からも学んで、彼の投資姿勢に関連するようなバフェット哲学ともいうべき考え方を持っているので紹介します。これがなかなか良い考え方なんです。

【中田】楽しみですね。どんな考え方なのですか？

【濱本】まず、バフェットは、お金で愛情や健康は買えないわけで、幸福とお金はまったくの別物と考えています。そして、お金持ちになることが成功ではなくて、愛されたいと望む相手から愛されることこそが成功であると考えているのです。

【中田】愛と健康が大事なのかぁ。

【濱本】でも本当に健康が大切だと思っているのなら、コーラとハンバーガーだけじゃ体に悪い！　って突っ込みたくなりますけどね。

【中田】確かに（笑）。

【濱本】そして幸福になるためには、愛されるようになることが必要で、そのためには愛される人物になることが必要と考えているようです。

【中田】人に愛されるって難しそう。

【濱本】ちなみに金持ちになっても、その人の特徴が強調されるだけで、別にお金がその人を向上させるわけではないようなことも言っています。

私は横着者ですが、もし宝くじが当たって私が金持ちになっても、決して偉くなるわけではなくて、もっと横着になるだけだと思いますね。

【中田】私もそうなりそう（笑）。

【濱本】だから結果として得られたお金よりも、その過程である仕事に情熱を捧げることを重視しているのです。情熱を捧げるに値する好きな仕事を見つけるってことがポイントなのでしょうね。

【中田】そう考えると、私はアイドルになるのが目標だったので本当は幸せなのかも。

【濱本】で、リスクやミスが付きものの仕事がおもしろくて、ミスをおそれるなとも言っています。とはいっても、ミスによる影響の程度によると思うけどね。自分が死ぬほどのリスクを負うのは嫌ですよね。

【中田】確かにそれは嫌ですね。

誠実さを大切にする「バフェットの倫理観」

【濱本】それからバフェットは、高い倫理観が必要であるとも言っています。だから、不誠実な人間とは取引をしないし、内部情報を利用することも絶対にしないようです。

【中田】内部情報を利用したらインサイダー取引で逮捕されますよね。

【濱本】そう、そのようなコンプライアンス（法令遵守）はもちろんのこと、誠実さも大切にしていますね。時間をかけて信用を築いたとしても一瞬で失うこともありますからね。

家族や学生時代の友人であれば許してくれることがあっても、社会に出ると知らないもの同士なので、そこら辺は厳しいですね。

【中田】何事も誠実さって大事なんですね。

【濱本】あとバフェットは、経営者のアカウンタビリティ（説明責任）も重視しています。経営内容の良いことも悪いことも包み隠さず報告する責任のことです。

【中田】ほうれんそう（報告・連絡・相談）ですか？

【濱本】そう。「やることをやってるんだからいいじゃん」という理屈は認めません。「やることをやってる」のは執行責任（responsibility）を果たしただけで、それを報告する説明責任（accountability）も果たさないと責任を全うしたとは言えないのです。