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敵か、味方か? 会議室で座る位置からわかる“相手の本心”

渋谷昌三(目白大学名誉教授)

2022年08月08日 公開

 

表情よりも正直な「腕まわり」

腕組みは「自分を守る」ポーズです。

相手を拒否する気持ちの表れですから、相手の意見に賛同できないときや、自分の弱みを見せまいと警戒しているときによく見せるしぐさです。

ですから、自分が何か話しているときに相手が腕組みをはじめたら、「気持ちが乗っていないな」「心を開いていないな」と疑ってください。顔がにこやかであっても同じです。本音が表れやすいのは、顔よりも腕のほうなのです。

腕組みとは逆に、心を開いてくれているサインになるのは、手のひらをこちらに向けて話すしぐさ。こういうしぐさをする人は、基本的にフレンドリーで話し好きです。気兼ねなく本音を教えてくれるでしょうし、こちらの話もきちんと聞いてくれるはずです。

 

隠しきれない緊張はまばたきに表れる

その人の緊張の度合いが強くなると、まばたきの回数が増えます。

したがって、話している最中に、急にまばたきをしはじめたら、それまでになかった緊張が心のなかに生まれた証拠。ウソを疑うべきです。

米国の心理学者トーエッツは、1988年の米大統領選の候補者2人、共和党のブッシュ候補と民主党のデュカキス候補のテレビ討論の様子を分析しました。2人のまばたきの回数と、それが国民に与えるイメージの違いを調べたのです。

結果は、ブッシュが毎分67回、デュカキスは毎分75回。平常時の平均のまばたき回数は、20回前後ですから、2人ともかなり緊張していたことがわかります。

デュカキスのほうがまばたき回数が多かったことから、ブッシュよりも緊張の度合いが強かったのは明らかです。それは、視聴者が2人に感じたイメージにも影響を与えました。デュカキスは「神経質で頼りない」印象、ブッシュのほうが、大統領らしい落ち着きがあると感じたといいます。

そして大統領選は、ブッシュの勝利で終わりました。

 

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