握手だけで相手の「仕事の能力」を見抜く方法
2019年09月10日 公開 2024年12月16日 更新
ビジネスにおいて、「見た目」の重要性はいうまでもない。しかし、日本人経営者のなかには、見た目の印象がイマイチだったり、国際的に常識といわれる「仕草」が身についておらず、海外では「残念な日本人」と見なされる人も多い。では、どういった点を意識すればよいか。
一般社団法人国際ボディランゲージ協会代表理事の安積陽子氏は近著の『CLASS ACT(クラス・アクト)』にて、印象を変える身だしなみ、ふるまいと装いのテクニックを述べている。その一節をここで紹介する。
※本稿は、『CLASS ACT(クラス・アクト) 世界のビジネスエリートが必ず身につける「見た目」の教養』より抜粋・編集したものです)
転職の度に、スーツのシルエットを変える
私のクライアントの一人に、金融業界やIT業界などさまざまな業種を渡り歩き、アメリカやヨーロッパなどで現地法人のトップを務めたグローバルエリートがいます。
彼に、装いで心掛けていることを尋ねると、「毎朝5秒でコーディネートを完成させられるように、ワードローブを揃えている」そうです。とくに驚いたのは、「転職の度に、ミリ単位でスーツのシルエットを変えている」という話でした。
たとえば、銀行からIT系の会社に移った際は、同じダークネイビーのスーツでも、ウエストやパンツの幅をミリ単位で絞ったそうです。理由は「スピーディーな印象を演出するため」ということでした。
わずか数ミリの変化ですが、その微調整が醸し出すものには、敏感な人は気付きますし、周囲の人の無意識にも働きかけるでしょう。時代や環境の変化に敏感で、何を求められているかを察知できるからこその微調整であり、日頃から自覚的に感度を高める努力をしていなければ、できないことです。その能力は当然、「経営センス」にも通じると思います。
この話を聞いて、多忙を極めながらも、そこまで計算して準備し尽くすことができるのかと、思わず驚嘆しました。こうした「準備する能力」は、ビジネスの現場でも、気持ちの余裕を生み、落ち着きのある威厳を伴ったオーラとして表れていることでしょう。
ほかにも、「経営センス」がある人に共通している特徴として以下のことが挙げられます。
・若い人と積極的に交流している
・感性を研ぎ澄ませられる場所におもむいている
・美意識を高めるために芸術に触れている
・読んだことのないジャンルの本を積極的に手に取る
・日常を逸脱する経験をよくする
・海外のニュースメディアを意識してチェックしている
・自分の業界以外の人と話したり、他業種のセミナーに参加して人脈を広げている
・自分の業界でもっとも影響力のある人や、質の高い情報を持っている人とつながっている
・各業界でいま一番注目されている人物の特徴をつかむようにしている
・本物の目利きとなるために一流のモノに触れている
時代感覚をうまく自分に反映するために、普段から、何ができているかをチェックしましょう。