「自分は内向的」は思い込み？ 本当の自分の性格がわかる10の質問

「私は内向的だから、みんなの前でしゃべるのが苦手なんです」「あの人は外向的だから、友だちが多い」など、性格を表す言葉として内向的・外向的という表現が広く使われています。

しかし、自分の性格や個性は自分でもつかめないもの。そもそも、性格とはいったい何のことを指しているのでしょうか。

そこで、目白大学名誉教授の渋谷昌三氏著「怖いくらい「本当の自分」がわかる心理テスト」（PHP文庫）の中から、自分の性格や個性を再確認できる心理テストと、その活かし方についてご紹介します。

※ 本稿は、『怖いくらい「本当の自分」がわかる心理テスト』（PHP文庫）より、内容の一部を抜粋・編集したものです。

語源でたどっても、ひとことで言い表せないもの

「私は自分の性格が嫌いなの」とか、「彼女は自己中心的なパーソナリティなのよ」などと言います。でも、「性格って、いったいどんなものなの？」と改めて聞かれると、答えられないのではないでしょうか。

性格という言葉には、「生まれつきの品性やくらい」といった漢語の意味があるようです。心理学では、ギリシャ語の「character（カラクテル）」の訳語として「性格」を使っています。

characterには、もともと刻み込まれたもの、彫りつけられたものという意味がありましたが、のちに標識や特性を表すようになりました。心理学では、こうした意味から、それぞれの人を特徴づけている行動傾向を性格と呼んでいます。

語源からすると、性格はある素材（素質）にノミやカナヅチ（環境）を使って刻み込んだ作品（個性）と考えることができます。言いかえれば、性格は両親から受け継いだ素質をもとにして、その人の経験によってでき上がってくるものだと言えます。

一方、個性を表現する言葉として、パーソナリティがよく使われますが、これはラテン語のpersona（ペルソナに語源があります。

personaはもともと劇で使われる仮面を意味する言葉でしたが、俳優が演ずる役割をさすようになり、やがてその役割を演ずる人の意味に使われるようになりました。その結果、パーソナリティは、ある特性をもった人をさすようになりました。

このような意味から、パーソナリティとは、それぞれの場面社会的な役割（男や女、妻や夫、親、上司など）で使われる、仮面行動やふるまいの総称と考えることができます。

言いかえれば、パーソナリティは素質に左右されるというより、むしろその人の経験や社会的な立場によってつくり上げられるものと言えそうです。パーソナリティは、日本語では人格と訳されています。

しかし、「彼は人格者だ」というように、人格には道徳的な意味が入ってきますので、心理学ではパーソナリティと英語を使うことが多いようです。

"刻み込まれたもの"を語源とする性格と"仮面"を語源とするパーソナリティの2種類の言葉がありますが、この両方の意味を含めて、一般的には「性格」と呼んでいるようです。

心理学では、たくさんの専門的な性格テストが考案されています。こうした性格テストをすれば、比較的、正確に自分の性格を調べることができます。

自分の性格を知るための10の質問

つぎの1～10の問いの内、当てはまる方を選びメモをしてください。最後にAとBの数をそれぞれ合計してください。

【1】
A.ひとりで本を読んだり、ビデオを見たりするのが好きである
B.たくさんの友だちとつきあうのが好きである

【2】
A.勉強や仕事はひとりでやったほうが効率が上がる
B.友達と一緒に勉強したり、仕事をするほうが効率があがる

【3】
A.おしゃべりは苦手である
B.話し好きで行動力がある

【4】
A.融通はきかないが、我慢強い
B.何事にも熱しやすく冷めやすい

【5】
A.じっくり考えてから、控えめに行動するタイプである
B.自信をもって行動するタイプである

【6】
A.感受性が強く、涙もろいと思う
B.陽気でユーモアがあると思う

【7】
A.自分のことは話さないほうである
B.自分のことを気軽に話すほうである

【8】
A.自分で感情をコントロールしてしまう
B.感情をストレートに出してしまう

【9】
A.あれこれ迷ってしまい、なかなか決められない
B.すぐ決断することができる

【10】
A.周囲の行動や考え方に適当に合わせるのがへたである
B.周囲の人の言動に敏感で、調子を合わせるのが苦にならない

この心理テストは、内向性性格と外向性性格の特徴がAとBのペアになってつくられています。

この回答欄のＡの列が内向性を、Ｂの列が外向性を表す項目になっています。合計点を見て、得点の高いほうがあなたの性格だと言えます。

内向性か、外向性かのいずれか一方に、極端にかたよっている人は比較的少ないでしょう。同じくらいか、あるいは、少しだけどちら側かの得点が高いという人が多いと思われます。