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アマゾンだけが「イノベーションのジレンマ」に陥らない理由

2018年04月19日 公開

田中道昭(連載「アマゾンの大戦略」に学ぶMBA講座 第1回)

経営への哲学・想い・こだわり

今月から、『「アマゾンの大戦略」に学ぶMBA講座』が始まります。MBAというのは経営学修士の略称ですから、正確に述べると、ビジネススクール講座ということになるでしょうか。

国内外のビジネススクール、経営大学院では、通常は2年間で必修科目と選択科目を合わせてたくさんの科目を履修していきます。経営戦略、マーケティング戦略、会計、財務戦略、人事戦略、組織、リーダーシップ、テクノロジー、イノベーション、起業論などの科目があります。起業論という分野だけでも、通常は戦略やマーケティングからファイナンスまで、10科目以上の講座が開かれていることも珍しくありません。

米国のビジネススクールでは、毎回ケーススタディーが渡され、「あなたがこの企業の経営者だったらどのような戦略を実行しますか」というような設問に対して、受講生は次のクラスまでに通常3時間の授業時間の数倍の準備時間をかけてリサーチ・分析・戦略立案を行います。

 

MBAも「チーム」の時代に

実は、自分一人だけでレポートを作成して提出するというクラスは少なく、通常は数名でチームを組み、チームでディスカッションを重ね、チームとして一つの「提案書」をクラスに提出することが求められます。一人だけでやる作業に加えてチームでの準備が加わることは、同じ学期のなかで複数の講座を履修しているなかでは、時間的にも労力的にも大変な負荷となります。

これは近年、多国籍企業においては「チームで仕事をする」ということが当たり前になってきており、実践教育であることを生命線としているビジネススクールでは、リーダーシップ等の特定科目のみならず、すべての科目で「チームで成果を出す」ということにこだわっているからなのです。

実際に、職場や社会においてより重要なのは、「個人の成績」ではなく、「チームの成績」です。ビジネススクールではペーパー試験も行われますが、多くのクラスでは同試験よりもクラスへの貢献やチームワークを重視して評価しているのも、実際の職場での評価方法とリンクさせているからです。

本講座でも、毎回チームでのディスカッションのきっかけになるような問いかけを最後にしていきたいと思います。自分一人で考えるだけではなく、職場の仲間などと一緒に考えてみることをお勧めします。

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著者紹介

田中道昭(たなか・みちあき)

立教大学ビジネススクール教授

シカゴ大学ビジネススクールMBA。戦略論を専門として、経営を中核に政治・経済・社会・技術の戦略を分析する「戦略分析コンサルタント」でもある。三菱東京UFJ銀行投資銀行部門調査役、ABNアムロ証券会社オリジネーション本部長などを歴任。現在、株式会社マージングポイント代表取締役社長。著書に、『アマゾンが描く2022年の世界』『2022年の次世代自動車産業』(ともにPHPビジネス新書)など。

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