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40代は「会社に頼らない生き方」を目指そう!

2018年06月13日 公開

柳川範之(東京大学大学院経済学研究科教授)

「転職のイメトレ」で、キャリアの可能性を広げよう

人生100年時代、40代で自分の経験やスキルを棚卸しすることが、定年後の働き方を左右するという柳川範之氏。転職するにしても、しないにしても、「会社に頼らない生き方」が大切だという、その意味と、会社に頼らないで生きる方法をうかがった。

 

今の会社で一生を終える未来はやって来ない

 これからの働き方として「40歳定年制」を提唱する経済学者の柳川範之氏。定年制といっても社員を切り捨てるという意味ではなく、むしろ「40代でそれまでの経験や知識を整理し、学び直して、70代まで働くための前向きな提案」だという。そのためには「会社に頼らない生き方」の構築が必要だという柳川氏に、40代からのキャリア設計についてうかがった。

「これからの時代、今いる会社に頼って生きることは大きなリスクです。技術革新によって環境変化のスピードが加速し、かつては『この会社に入れば一生安泰』と思われた大企業でも、経営危機に陥ってリストラを迫られる時代になりました。仮に定年まで勤め上げても、人生100年時代が到来すれば、その後の20年や30年を生きるために、誰もがセカンドキャリアを考えざるを得なくなります。

 つまり、『今いる会社で一生を終える』という未来は、ほとんどの人にはやって来ないということ。だからこそ、他の場所で生き生きと働くための方法を考える必要があります」

 ただし柳川氏は、「今すぐ転職しろ」と言っているのではない。

「今の会社を実際に辞めるかどうかより、大事なのは『いざとなったら別の場所でも働ける』という精神的な余裕を持つこと。『自分の居場所はここしかない』と思い詰めていたら、なかなか能力は発揮できません。

 一方、今の会社以外にも選択肢があれば、会社にしがみつかずに済むので、自分がやりたいことや新しいことにもチャレンジしやすくなります。その結果、今いる会社で活躍が認められれば、転職せずに働き続ける選択をしてもいい。いずれにしても、将来の可能性にバリエーションを持つことが必要です」

 そもそも今の会社を辞める可能性を想定すること自体、決して後ろ向きな話ではない。

「今いる会社が本当に自分に合っているのか、実はほとんどの人がわかっていないはずです。とくに転職経験がない人は、今の職場しか知らないわけですから、別の会社に移ったら、今より楽しく働けるかもしれないし、大きなチャンスが待っているかもしれない。

 あるいは年齢を重ねると、『社会や地域に貢献したい』といった、ただお金のために働くのとは違うモチベーションが生まれる人も多いでしょう。

 つまり、『今いる会社がすべて』とは思わないマインドセットに切り替えることで、自分が本当に生きがいを感じられる天職に出合えるかもしれないのです」

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著者紹介

柳川範之(やながわ・のりゆき)

東京大学大学院経済学研究科教授

1963年、埼玉県生まれ。83年、大学入学資格検定試験合格。88年、慶應義塾大学経済学部通信教育課程卒業。93年、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。93年、慶應義塾大学経済学部専任講師。96年、東京大学大学院経済学研究科助教授。2007年、制度変更により同准教授。11年より現職。『40歳からの会社に頼らない働き方』(ちくま新書)など著書多数。

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