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【ミドル世代の転職の心得】いざというときのために備えておくべきことは?

2018年06月21日 公開

出口治明(立命館アジア太平洋大学学長)

チャンスを掴めるか否かは、「変化への適応力」で決まる

60歳を目前に日本有数の大企業を辞めて起業。さらに今年、創立18年目の大学の学長に就任した出口治明氏。長年勤めてきた会社を辞めるという決断は、どうして可能だったのか。今後のキャリアに迷うビジネスマンへのアドバイスをもらった。

 

「子会社への出向」が新たな道を開くきっかけ

 日本生命でロンドン現地法人の社長や国際業務部長を勤め上げた出口治明氏が退職、起業の道を選んだのは58歳のとき。周囲からは華麗なる転身と思われたかもしれないが、実情は違っていたという。

「30代でMOF担、43歳から三年間は現地法人社長としてロンドンに駐在、帰国後は国際業務部長に最年少で就任と、ある意味順風満帆な会社員人生を送っていました。

 少し風向きが変わってきたのが50歳目前で、営業部門への異動を命じられたのです。そこで結果を出したものの、今度は55歳で日本生命の実質子会社へ出向。当時、子会社から本社に戻った例はなく、まさに一つの転機だと思いました」

 長年携わってきた保険の世界から離れることになった出口氏。ただ、今までのキャリアをなんらかの形で残しておきたいと考えた。

「生命保険と別れるための『遺書』として、頭の中にある知識を吐き出しておこうと考えたのです。具体的には、これまで30年以上をかけて、見て学んできたことを文章にまとめてみました」

 これはのちに『生命保険入門』(岩波書店)という本となり、生命保険の入門書として今なおロングセラーとなっている。

「ここに“生命保険のあるべき未来像の一つ”として記した『インターネットを活用して、保険料を半分にするビジネスモデル』は、ライフネット生命のビジネスモデルの祖形となりました。とはいえ、当時は生命保険の新しい会社を作ろうなどということはまったく考えていませんでした。あくまで人生の棚卸しのつもりだったのです」

 そんな中、退職・起業に至ったのは、あすかアセットマネジメント創業者・谷家衛氏との出会いだった。「生命保険業界の課題について知りたい」という谷家氏の求めに応じて語る中、「新しい会社を一緒に作りませんか」と誘いを受けたのがきっかけだった。

「考えるよりも前に、直観で『いいですよ』と答えていました。谷家さんの感じが良かったからです。これも運命だから、これまでのキャリアを捨ててゼロから再出発しよう、と。そこに迷いはまったくありませんでした。会社を辞める、仕事を変えるというと、大変な決断だと思われがちです。しかし、僕に言わせれば、ただ『機会に恵まれたから』に過ぎません」

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著者紹介

出口治明(でぐち・はるあき)

立命館アジア太平洋大学学長

1948年、三重県生まれ。京都大学法学部卒業後、72年、日本生命保険相互会社に入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当したのち、大蔵省を担当して金融制度改革に取り組む。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て06年に退職。同年、ライフネット企画[株]を設立し、代表取締役社長に就任。08年、免許取得に伴いライフネット生命保険[株]に社名を変更。13年、代表取締役会長。17年に取締役を退き、18年1月、立命館アジア太平洋大学(APU)学長に就任。

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