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田原総一朗が語る 平成の「ターニング・ポイント」

2019年07月04日 公開

田原総一朗(ジャーナリスト)

平成が積み残し、令和に引き継がれる「3つの課題」

平成は、国内外ともに大転換を迎えた時代だった。バブル崩壊から始まり、小泉政権の躍進、民主党への政権交代や東日本大震災を経て、安倍政権一強の時代を迎える。一方、国外では自爆テロやイラク戦争、リーマンショックを経て、世界の右傾化が進む。昭和・平成を駆け抜けたジャーナリストである田原総一朗氏は、この30年の歴史をどう振り返るのか。また、令和へと続く日本の課題とは何か。 

取材構成:野牧 峻 写真撮影:長谷川博一

 

平成は「神が与えた休暇」のはずだった……

 1989年、冷戦終結により、米ソ支配の構造が終焉を迎えた。平成の幕開けは希望に満ちていたと、田原氏は振り返る。

「ベルリンの壁が崩壊し、地中海のマルタ島で行なわれた米ソ首脳会談により冷戦の終結を宣言。当時、総理大臣を辞めたばかりの中曽根康弘が、僕にこう言ったのを覚えている。『平成という時代は神が人類に与えた休暇の時間だ』──。

 ところが、この二極構造が変わると、サッダーム・フセインが指揮するイラク軍がクウェートに侵攻。それを阻止すべく、アメリカを中心に多国籍軍による空爆が始まった。湾岸戦争だ。

 これに対し、日本は130億ドルの資金を提供したが、自衛隊を派遣しなかったことが世界中から批判された。クウェートが表明した謝意の中に日本が含まれなかったことから、世界的に日本の貢献は評価されなかったことがうかがえる。日本の外交力の弱さを見せつけてしまった。

 これを期に、日本の自衛隊・安全保障問題が見直され始めた」

 こうした外患がある一方、バブル崩壊という内憂が現れたのも平成の初頭である。

「バブル経済について語るには、まず新自由主義が日本経済に与えた影響について考えたい。新自由主義が、バブル崩壊を引き起こした遠因だからだ。

 80年代後半から、アメリカではレガーノミクスによってグローバル化が進んでいた。ところが、米国の対日貿易赤字は膨らみ続け、日米貿易摩擦は深刻化する一方だった。そこで、アメリカは85年のプラザ合意で、為替レートをドル安に進め、対日貿易赤字を円高によって是正する措置を取った。

 また、アメリカは日本に貿易自由化を迫った。要は、『アメリカへの輸出を制限し、輸入を増やせ』と迫ったのだ。日本はこれを受け、内需拡大を進める前川レポートを発表。金融緩和を実施し、余剰資金は土地と株式投資へと向かった。そして、バブル経済と崩壊が起こった。 

 平成は、神が与えた休暇どころか、激動の時代を予感させる出来事から始まったと言える」

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著者紹介

田原総一朗(たはら・そういちろう)

ジャーナリスト

1934年滋賀県生まれ。早稲田大学文学部卒業。岩波映画製作所、東京12チャンネル(現・テレビ東京)を経て、フリージャーナリストとして独立。『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』(テレビ朝日系列)では、生放送中に出演者に激しく迫るスタイルを確立し、報道番組のスタイルを大きく変えた。活字方面での活動も旺盛で、共著も含めれば著作は100点を超える。現在もテレビ、ラジオのレギュラー、雑誌の連載を多数抱える、日本でもっとも多忙なジャーナリスト。
おもな著書に『日本の戦争』(小学館)、『塀の上を走れ』『Twitterの神々』(以上、講談社)、『原子力戦争』(ちくま文庫)、『なぜ日本は「大東亜戦争」を戦ったのか』『人を惹きつける新しいリーダーの条件』(以上、PHP研究所)ほか多数。

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