ホーム » Voice » 政治・外交 » 「政府の方針を受け入れるだけではいけない」 熊谷俊人千葉市長が語る、首長の役目

「政府の方針を受け入れるだけではいけない」 熊谷俊人千葉市長が語る、首長の役目



2020年10月07日 公開

熊谷俊人(千葉市長)

新型コロナ禍では地方自治体によって対応の違いが見られた。とりわけ千葉市では、政府による学校の一斉休校の要請に対して独自に対応し、熊谷俊人市長自らがSNSを活用して精力的に情報発信に努めた。これらの対応の狙いと教訓について、熊谷市長に聞いた。

※本稿は『Voice』2020年10月号より一部抜粋・編集したものです。

聞き手:Voice編集部(中西史也) 写真:吉田和本

 

何よりも大切なのは医療提供体制の確保

――新型コロナへの対応を巡っては、政府のみならず地方自治体の首長のリーダーシップにも注目が集まりました。千葉市は日本国内で感染が流行し始めた1月下旬から2月の段階で対策の基本戦略を打ち出し、迅速な危機対応を行ないました。あらためて、市としてどういう方針を採ってきたかお話いただけますか。

【熊谷】医療提供体制をいかに逼迫させず整備するか。その一点に尽きます。死者数や重症者数の増加を抑えられている限り、日々の感染者数ではなく、それを支える医療の土台を万全に整えることが何よりも重要です。

重症者用・軽症者用それぞれの病床や、軽症者を一時隔離するためのホテルを確保し、医療提供体制を崩壊させない。また、保健所を正常に機能させることも不可欠です。

千葉市では1月下旬の時点で、職員の人員の多くを保健所にシフトしました。そのため、他の自治体に比べて保健所の業務負荷はコントロールできている。

これらの大前提を押さえたうえで、感染者をトレース(追跡)し、市民に感染予防対策を徹底してもらうことが、われわれ千葉市が堅持してきた基本戦略です。

――4月2日には、行政・企業・教育のオンライン化を軸とした「ちばしチェンジ宣言!」を発出しました。

【熊谷】新型コロナウイルスに対して国民が怯え、社会全体が暗くなっていくなかで、難局を乗り越えていくポジティブな動きをみせたかった。新型コロナがわが国の多数の尊い人命を奪い、社会経済活動を停滞させた事実は痛切に受け止める必要があります。

一方で、今回の事態を契機に日本がプラスに生まれ変われるように模索して然るべきです。DX(デジタルトランスフォーメーション)はその最たる例でしょう。

政治、企業活動、教育、どの分野でもかねてよりオンライン化の推進が叫ばれていたにもかかわらず、なかなか進展しなかった。

DXは平時には進みませんでしたが、ならばこの有事を加速させる好機とする。そうした施策を千葉市として促進するメッセージを明確にしました。

次のページ
正確な情報発信と記録としてのSNS >



Voice購入

2020年11月号

Voice 2020年11月号

発売日:2020年10月10日
価格(税込):840円

関連記事

編集部のおすすめ

熊谷俊人・千葉市長「リーダーに必要なのは“自らの言葉”で語る覚悟」

熊谷俊人(千葉市長)

「メディアは“何が前進したのか”を明らかにすべき」 コロナ対応に当たる千葉市長の訴え

熊谷俊人(千葉市長)

橋下徹「政府は“要請”ではなく“命令”する代わりに、補償をせよ」

橋下徹(前大阪市長)
日本最大級の癒しイベント出展社募集中

WEB特別企画<PR>

アクセスランキング

WEB特別企画<PR>

  • Twitterでシェアする
日本最大級の癒しイベント出展社募集中

21世紀のよりよい社会を実現するための提言誌として、
つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合月刊誌です。

×