ぐるぐる思考から抜け出せないとき
すでに終わったことや先のことについて、ああでもない、こうでもないと考えるうちに、不安はどんどん膨らんでいきます。
そんな「ぐるぐる思考」から抜け出せないときは、パンッ! と大きな音を出して手をたたき、「ストップ!」と声に出して言いましょう。これだけで気持ちが落ち着きます。そのあとに家事や運動などで体を動かすと頭がスッキリし、さらに不安を遠ざけることができるでしょう。
また、五感を使って「今、ここ」に集中することも効果的。たとえば食事をしているときには、食べ物の匂いや味、器の色、器を手に持ったときの感触などをゆっくり味わい、人との語らいを楽しみましょう。普段から五感を使って「今」に意識を向けるようにしていると、不安に翻弄されることが減ります。
\セルフケアのポイント/
・パンッと手をたたき、「ストップ!」と声に出す
・五感を使って「今、ここ」に集中する
「相手を傷つけたかも」と思い悩むとき
不安を抱えやすい人は、まじめで優しい人。「私が言ったことで、あの人が傷ついていたら、どうしよう」と、思い悩んでしまうことも多いのではないでしょうか。
でも、多くの場合、あなたが過剰に心配しているだけで、相手はなんとも思っていないことがほとんどです。変に思い悩んで、「傷つけてしまったのなら、ごめんなさい」などと相手に謝ると、逆に相手との関係がぎくしゃくしてしまうこともあります。
どうしても気になるのなら、「◯◯さんに多くの幸せが訪れますように」「◯◯さんが今日一日楽しく過ごせますように」と、傷つけたかもしれないと思う相手の笑顔を思い浮かべながら、その人の幸せを祈ってください。不安へのエネルギーを相手のための祈りに変換させて、気持ちを落ち着かせましょう。
\セルフケアのポイント/
・不安にかられて、すぐに謝らない
・相手のために祈る
将来に漠然とした不安を感じるとき
将来について漠然とした不安を感じ、モヤモヤすることもありますよね。そんなときは、何に不安を感じているのかを明確にするだけで、気持ちがラクになります。
思いつく限り、気がかりなことを書き出してみましょう。「仕事がうまくいくか心配」「お金がない」など、何でもOK。そしてできれば、その一つひとつに今できることを書き出してみてください。たとえば「仕事がうまくいくか心配」には、「『最善を尽くせばいい』と自分に言い聞かせて目の前のことをコツコツこなす」、「起こりうる最悪を考えて対処法を用意する」などです。
また、次の3つの行動、「運動をする」「音楽を聴く」「没頭できること(好きなこと)をする」のも効果的。これらに取り組むことで気持ちが前向きになり、漠然とした不安にとらわれにくくなります。
\セルフケアのポイント/
・気がかりなことを書き出す
・運動、音楽、好きなことを取り入れる
【柳川由美子(やながわ・ゆみこ)】
(株)ヘルシーライフサービス代表取締役。鎌倉女子大学卒業。東海大学大学院前期博士課程修了。パニック、うつ、不安などを根本から改善して薬に頼らない生活を送れる「安心マインドプログラム」を提唱。著書に『不安な自分を救う方法』(かんき出版)、『不安専門カウンセラーが教える 晴れないココロが軽くなる本』(フォレスト出版)などがある。