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「自分なんて...」謙遜癖のある人が無意識に恐れてきた“周囲からの嫉妬”

大嶋信頼(心理カウンセラー)

2023年10月17日 公開 2024年12月16日 更新

褒められるとつい謙遜してしまったり、自分を卑下したりしていませんか? 余計なことを言って、会話が続かないことに悩んでいる人もいらっしゃるでしょう。心理カウンセラーの大嶋信頼さんは、謙遜をするほど「自己肯定感が下がってしまう」と語ります。本稿では、その理由と対処法について紹介します。

※本稿は、大嶋信頼著『「自己肯定感」が低いあなたが、すぐ変わる方法』(PHP研究所)から一部を抜粋し、編集したものです。

 

人前で自分を否定したり卑下しない

ジョギングで汗を流して帰ってきたときに、同じアパートに住むおじさんが「健康的でいいねー!」と声をかけてくださったことがありました。ところが私は、「これ病気の予防でやっているだけなんで」と、余計なことを言って会話がつづかなくなってしまったのです。

会話がつづかなくなって「なんで、自分は余計なことを言ってしまうんだろう?」と、嫌な気持ちになって「自分はやっぱり人とうまく会話ができない」とダメ出しをして自己肯定感が低くなってしまうんです。

また、別の日には、買い物に行ったときに「いい靴を履いているね!」と、お店の人からほめられたら「これ、安物でセールのときに買ったんで」と言ってしまう。

やっぱり次の瞬間に、お店の人は興味を失ってしまって会話がつづかなくなって、「やっぱり自分はダメだ」と自己肯定感がどんどん低くなってしまいます。

なんで相手の気分を盛り下げるようなことを言って、自己肯定感を低くするようなことをしてしまうのだろう? と考えるんです。

すると、子どものころに、おばあちゃんから青色のバットを買ってもらって「わーい! いいでしょ!」と友達に自慢をしたら、友達は「そんなのすぐにぶつけて傷ついてボロボロになるんだから」と地面にバットを叩きつけられて、新品のバットに傷がついて「ワーン!」と泣いてしまったことを思い出しました。

 

自分が喜んでいたら嫉妬される......

学校で先生からほめられて、わーい!とうれしくなって家に帰って、父親に報告したくて玄関で待っていて「お帰りなさい」とニコニコしながら挨拶をしたら「こんなことをしている暇があったら、なんで勉強しないんだ!」と引っ叩ぱたかれたことも......。

だから、うれしそうにしていると必ず怒られる、と思っていたんです。

いつの間にか、人からほめられても「喜んだら嫉妬される」という恐怖を感じるようになり、それを打ち消すために「自分を卑下する」ようになっていました。

自分としては「謙虚に振る舞っているから、なんの問題もないはず」と思っていたんです。でも「自分はたいしたことないです」と、自分を卑下して謙虚に振る舞えば振る舞うほど、友達が私から離れていきます。

私はこれにずっと悩んでいて「謙虚さが偽善的に見えるからかな?」と思っていて、「でも、本当に自分がダメだと思っていて噓をついているわけではないのにな」と考えていました。

あるとき、クライアントさんの話を聞いていて「私はダメなんです」といろんな人に話せば話すほど、どんどん身体の調子が悪くなっていく!という現象を見たときに「あ! 謙虚に振る舞えば周りの人から逆に嫉妬されてボロボロになっていくんだ!」ということに気がついてしまったんです。

クライアントさんに「謙虚に振る舞うと嫉妬される」という話をして、それを止めてもらったら「身体の調子が良くなった!」となって、どんどんクライアントさんの自己肯定感が上がっていったことから「嫉妬されると自己肯定感が低くなってしまうんだ!」ということがわかりました。

"自己卑下"とか"自己否定"をすることで自己肯定感が低くなってしまう、というよりも「周りから嫉妬の攻撃をされるから自己肯定感が下がる」ということがよく見えたんです。

たしかに、自分の過去を振り返ってみると、私が謙虚に振る舞って"自己否定"したときは、相手の顔が「チ〜ン!」と能面のような顔になってしまって、表情がなくなります。

テレビを観ていて、ある女優さんがほかの女優さんの発言で嫉妬したときに「あ! やっぱり能面のような顔になっている!」というのに気がつき、「あの表情って、話が面白くないのではなくて、"嫉妬の発作"を起こしているときの表情なんだ!」ということに気がつきました。

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嫉妬の発作を受けた時にどう対処する?

著者紹介

大嶋信頼(おおしま・のぶより)

心理カウンセラー

株式会社インサイト・カウンセリング代表取締役。米国・私立アズベリー大学心理学部心理学科卒業。カウンセリング歴30年、臨床経験はのべ9万件以上。『それでも大丈夫 不安を力に変える方法』(青山ライフ出版)など著書多数。

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