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食欲がない、料理が億劫...精神科医が指摘する「心が疲れているサイン」

藤野智哉(精神科医)

2023年08月30日 公開 2024年12月16日 更新

周りの目を気にして頑張りすぎてしまう。ちょっとしたことでイライラする...。それは"お疲れのサイン"かもしれません。精神科医の藤野智哉さんが、心のサインの見極め方をお話しします。

※本稿は、藤野智哉著『「誰かのため」に生きすぎない』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

疲れていると「幸せ」を感じにくい

誰でもしんどいときってあると思います。

「会社に行くのが本当につらくなった」
「家事が手につかない」
「何をするのもおっくうだ」
「朝なかなか起きられない」

こんなときに、とにかくまずやれるのは「休む」ことです。

「幸せ」って忙しかったり、疲れていたりするときは感じにくいことがあります。 おいしい食事やきれいな風景、お気に入りの洋服、かわいいグッズなど、「あ、幸せ」って思えるかどうかは、自分のコンディションに左右されます。

好きな食べ物を食べても、疲れているときは「あんまりおいしくない」って感じたり。疲れているときは、趣味の映画を観る気も起きなかったり。

だからしんどいときは、まず、「休む」が大事なことです。

何も診断がついてないのに会社を休んだり、しんどさをうまく説明できないのに家事を放棄することに罪悪感をもつ人もいるかもしれませんが、しんどいまま仕事や家事をやっていては、いつか破綻します。

これがベストの選択だと自分に言いきかせて、休養してくださいね。

 

食事と睡眠をちゃんととって休む

僕のところには、「私は『うつ』なのかもしれない」と思って診察にこられる人ももちろんいらっしゃいます。

難しいのですが、「うつ」という言葉は一般的によく使われていますけど、僕ら精神科医は「うつ病」と「うつ状態」という言葉を分けて使っています。

「うつ病」というのは、病院を受診して診断がつく病名ですが、「うつ状態」というのは、病名ではなく気分が沈みしんどい「状態」のことなので、誰だって短期的にはなりえるんです。

たとえば失恋したり、ペットが亡くなったときなど、ショックなことがあれば一時的に「うつ状態」になります。3日くらい寝つきが悪かったり、食欲がなくなったり、やる気が起きなかったりします。

これって人間としてある意味、自然なことなんですね。とくに「うつ病」には当たらないことも多いんです。「うつ状態」の人、すべてが「うつ病」になるわけではないです。

こういった「うつ状態」のときに大切なことは「休む」ことです。

心がダメージを負っている、疲れているんだから休むというのは、基本のキです。

食事と睡眠をちゃんととって休めば、心も体も整っていく。そうすれば、病気でなければ自然と幸せを感じる心や体に戻っていったりします。

しんどい出来事をきちんと受け入れるために必要な過程なんですね。疲れていたり、しんどいときは、「まず休む」を覚えておいてください

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しんどいときほど、休めない人がいる

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