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なぜかズルズル先延ばしに...すぐ行動できる人に変わる「週1回の書く習慣」

大平信孝(メンタルコーチ)

2024年03月01日 公開 2024年12月16日 更新

不安で焦っているのに、動けないまま...。そんな状況から脱するには「まず動いてみる」ことが大切です。そのために、どう動くかを「仮で決める」こと。そして「仮」決めした後は、「仮」行動を即座にすることです。

この"仮決め仮行動"で、行動量を増やすと行動の質が上がり、成果につながっていくのです。本稿では"仮決め仮行動"を簡単に実行できるようにする「ウィークリーノート」の始め方について、メンタルコーチの大平信孝さんが解説します。

※本稿は、大平信孝『「すぐ動ける人」の週1ノート術』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

 

自分で決めて行動すると自己肯定感が回復する

今、自己肯定感の下がっている方が多いと感じています。というのも、時代の流れとして自分で決めなければいけないことが増えたのに、不安を感じると"とりあえず"行動を止めて様子見してしまうことが多いからです。

不安に対処する方法を知らない人は、不安になると自分で何も決められず、時間だけがただ過ぎていってしまいます。何ら行動しないので現状は変わりませんし、いつまでも同じことで悶々と悩み続けることになります。

結果的に、悩みすぎて動けなくなり、状況が悪化していくので、さらに不安になります。「どうしてもっと早く対処しなかったんだろう」「もっと早く決断していればよかったのに」「あのとき、こうしていれば」と後悔することになります。こうなると、さらに自己肯定感が下がってしまいます。

また、不安になって自分で決められないときに、指示や命令、義務感から行動した場合も、自己肯定感は上がりません。自分で決めていないので、たとえうまくいったとしてもあまり嬉しくないですし、自信が育ちません。人によっては、指示・命令・強制された人に成果を横取りされたように感じることもあるでしょう。

では、指示や命令、義務感から行動してうまくいかなかった場合はどうなるでしょうか。そういう場合には、「自分は指示に従っただけ」「義務だからしかたなくやっただけだから自分は悪くない」という考えになりがちです。うまくいかなかったときに、指示命令した人のせいにするので、失敗から学ぶことがないので成長しません。

結局、自分で決められない人は、行動できなかった場合でも嫌々行動した場合でも、自信が育ちません。「自分なんてダメなんだ」という自己否定のダメダメスパイラルから抜け出せなくなってしまうのです。

不安とうまく付き合えないと自分で決められないので、結果的に、一度自信をなくすと自信を回復するきっかけが少なくなり、自己肯定感が下がりっぱなしということになります。何ら行動せずにただ待っているだけになってしまうので、自信は育たず、自己肯定感も上がらないのです。

これに対して、どんなに小さいことでもいいので自分で決めてやってみると、自己肯定感が上がります。

自分で決められる人は、うまくいってもいかなくても、そこから学び、成長していくことができます。思うような結果が出た場合には、不安や悩みを抱えながらも決断して行動した結果出た成果なので、自信が育ちます。

思うような結果が出なかった場合でも、経験から学ぶことができます。さらに、「次はこうしてみよう」「こうしたらよかったのでは」と、次に進むアイデアが出てくるので、さらに行動することができます。結果的に、成長するので自己肯定感も上がるのです。

結局、「自分で決める」と自信が育つのです。思うような成果が出ても出なくても、「自分で決めているかどうか」で、自己肯定感が上がるか下がるかが決まるのです。自己肯定感が高い方に共通していることがあります。それは、「仮決め仮行動」しているということ。といっても、そんなにすごいことをしているわけではありません。

例えば、片づけ、家庭菜園、勉強、料理、YouTube、Zoom、noteなど、気になっていたけれどなかなか着手できなかったことについて、「ちょっとだけ試しにやってみる」感覚で着手しているだけです。

ちょっとだけ試しに着手したつもりが、楽しくなってついつい行動してしまっているのです。自分で決めたことをコツコツ継続できると、なんともいえない気分の良さ、爽快感があり、さらに行動したくなります。

それを繰り返していると、一度行動に着手すると、ついつい動いてしまうという良いスパイラルに入ることができます。自己肯定感も上がるし、結果的に成果も出てしまうのです。

どんなときでも、どんな状況でも、仮決め仮行動していくことで、いい波を自分でつくっていくことができます。不安を感じて、悩んで固まって、自信を失っている方こそ、仮決め仮行動していきましょう。

 

今日から「仮決め仮行動ノート」を始めよう

週に1回書くだけで、誰でも仮決め仮行動できる簡単な方法「ウィークリーノート」をご紹介します。早速ですが、「ウィークリーノート」の実践法をお伝えしましょう。事前準備は2つだけ。

まずはノートを1冊用意してください。ノートのサイズは、自由に大きく描きたい方はA4またはB5サイズ。持ち運びたい方はA5またはB6サイズをおすすめします。ノートが手元にない方は、A4またはB5サイズの白紙でも、手帳のノート部分でもOKです。

次にすることは、ノートの1ページに線を縦横に1本ずつ引くだけです。要するに、田んぼの田の字、4つのブロックに区切ってください。

準備ができたらいよいよ書いていきます。具体的な手順は次の4ステップです。

①左上の欄に【現状1】を書きます。
先週1週間を振り返り、「よかったこと・嬉しかったこと・感謝したいこと」を3つ
書き出します。

②右上の欄に【仮決め】を書きます。
今週1週間の「勝手にマイベスト3」を書き出します。
先週のよかったことを味わいながら、「もし、今週が最高の1週間になるとしたら、どんないい出来事があるか?」という観点から考えるのがポイントです。

③左下の欄に【現状2】を書きます。
現時点での「悩み・課題・不安」を書き出します。不安や焦りを感じている場合は、その内容を簡潔に箇条書きしてみてください。不安を希望に変えていくには、振り返りの際の順番がポイントです。振り返りは、ポジティブな面からすること。

ただし、ネガティブな面を無視していいわけではありません。ポジティブな面を振り返り、ポジティブな目標を仮決めした後に、悩みや課題にも向き合います。ここは、人に見せたり、評価、批判されたりするものでもないので、自分の本音ベースでOKです。

④右下の欄に【仮行動】を書きます。
仮行動は、①で書いた「先週のよかったこと」をさらにバージョンアップするために必要なアクション、②で書いた今週の「勝手にマイベスト3」を実現するために必要なアクション、③で書いた「悩み・課題・不安」を解決するために必要なアクションを各項目につき、最低1つずつ書き出します。

※その後、随時、仮行動が完了したら赤ペンなどで線を引いて消していく

以上、全4ステップになります。

 

「仮行動」の書き方

仮行動は、目安として最低3つは書いてください。

1つ目は、ステップ1で書いた「先週のよかったこと」をさらにバージョンアップするために必要なアクションです。

2つ目は、ステップ2で書いた今週の「勝手にマイベスト3」を実現するために必要なアクションです。

3つ目は、ステップ3で書いた「悩み・課題・不安」を解決するためのアクションです。

つまり、ステップ1から3の各項目につき、最低でも1つずつ、合計3つの仮行動を書き出します。仮行動が3つに収まらなくてもOKです。特に、ステップ2で書いた今週の「勝手にマイベスト3」のすべてを実現したい場合、それぞれの実現に必要な仮行動を書き出したくなる方もいるでしょう。仮行動を3つ以上書くことは大歓迎です。

ここまでの3ステップで「現在地」(ステップ1及びステップ3)と「目的地」(ステップ2)が明確になりました。カーナビと同じで、現在地と目的地の2つのポイントが明確になることで、はじめてルート選択ができるようになります。

行動できないのは、「現在地」と「目的地」のどちらか、もしくは両方が不明確で、どう動けばいいのかわからないからであることがほとんどです。逆にこの2つが明確であればあるほど、そのギャップを埋めるためのアクションプランも立てやすくなります。

参考までに、すでに実践されている方の「仮行動」の実例の一部をご紹介します。

・読みたい本の第1章を読む
・仕事関連の本を1冊流し読みする
・新しいプロジェクトの目標を紙に書く
・仕事の悩みを相談してみる
・週の半分でいいので日記を書く
・家族と一緒に映画を観る
・朝一番の時間を大切にする
・散歩する
・気づいたら10秒笑顔
・最低1日1回は上司とコミュニケーションを取る
・ToDoリストを更新する
・転職先についてリサーチする
・毎日1分でいいからストレッチ
・勉強会に参加する
・家庭菜園を始める

 

著者紹介

大平信孝(おおひら・のぶたか)

アンカリング・イノベーション代表

中央大学卒業。長野県出身。
脳科学とアドラー心理学を組み合わせた、独自の目標実現法「行動イノベーション」を開発。その卓越したアプローチによって、これまで1万5000人以上の課題を解決してきたほか、オリンピック出場選手、トップモデル、ベストセラー作家、経営者など各界で活躍する人々の目標実現・行動革新サポートを実施。その功績が話題となり、各種メディアからの依頼が殺到。現在は法人向けにチームマネジメント・セルフマネジメントに関する研修、講演、エグゼクティブコーチングを提供。これまでサポートしてきた企業は、IT、通信教育、商社、医療、美容、小売りなど40以上の業種にわたる。
「2030年までに次世代リーダーをサポートするプロコーチを1000人輩出し、日本を元気に!」を目標に掲げ、プロコーチ養成スクール「NEXT」を開講。

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