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「夫の様子がおかしい...」不倫が発覚した時、真っ先に取るべき行動

河村陽子(夫婦問題カウンセラー)

2024年08月06日 公開 2024年12月16日 更新

「相談されて話を聞いていたら、いつの間にか深い関係になってしまった」。不倫に陥る男性からよく聞く話ですが、それによって大きな傷を負ったいわゆる"サレ妻"はどう向き合っていけば良いのでしょうか。夫婦問題カウンセラーの河村陽子氏が、「夫婦関係修復メソッド」でお答えいたします。

※本稿は、河村陽子著『うちの夫を「神夫」に変える方法』(青春出版社)の一部を再編集したものです。

 

経験者は語る!夫に不倫されたとき、やってはいけないこと

夫に不倫された妻のことを「サレ妻」といいます。ネットから生まれた言葉で、最近ではドラマのテーマになるなど、多くの人に知られるようになりました。派生して、「サレ夫(不倫された夫)」「シタ妻/シタ夫(不倫した妻/夫)」という呼び名もあるようです。

妻である自分とかわいいわが子がいるのに、なぜ?と自問自答し、自分の落ち度を責めたかと思えば猛烈な怒りに震え、身を裂かれるような悲しみから逃れることができなくなってしまいます。

私自身、夫に7年も不倫された経験がありますから、サレ妻の気持ちはものすごくわかります。

私のところにはたくさんのサレ妻たちがご相談にみえます。皆さん憔悴しきっているか、強い怒りが煮えたぎっているのが目に見えるようなご様子です。

そんな妻たちにお伝えするのは、まずはゆっくり休んでほしいということです。不倫は、現場を見てしまうなど、突然露呈する場合もありますが、「何だかおかしい」とピンとくるところから始まり、夫の言動や状況証拠から総合的にクロとなることも多いもの。

みなさん、疑心暗鬼の期間が長く、疲れ切って身も心もボロボロです。「こんな状況で休むなんてできない」と思われるかもしれませんが、心身ともにひどいダメージを受けているときは必ず休んでください。

 

心の傷が深いときは行動を起こさない

夫の不倫がわかって大ショックを受けると、しばらくの間は、いわば心の中は大ケガをして体中から大量の流血状態です。

家のこともやらなければいけないし、育児は何があろうとしなければならないし、仕事もあるので、表面上は滞りなく生活するしかないのですが、心は大ケガを負っています。ケガをしたら傷を治し、痛みを癒やす時間が必要ですね。

心に深手を負っているときに夫と無理に話し合おうとしても、うまくいくはずがありません。ましてや離婚に向けて行動を開始するなどもってのほか。「半年は動かない」と心に決めてください。

夫のスマホを見てしまうのは、やりがちなことです。

サレ妻だった私自身の話ですが、夫の母親が体調を崩して入院し、自宅で一人で生活をしている義父のお世話に通っていたことがありました。夫は仕事が忙しいからとノータッチ。まあ、出張も多いし忙しいのはわかる。ここは嫁の私がやるしかないと、仕事も家事も育児もしながら頑張りました。

ところが不倫発覚後、あのとき、もしや......と夫のスマホを見たら、女性と食事に行ったり旅行に出かけたりしていたんですよ!これにはマジでブチ切れました。

もうひとつ、私が荒ぶる鬼と化した経験をご紹介しましょう。

夫不在のある晩、娘がお腹が痛いと泣き、薬を飲ませるなどして看病していた私。ところが、夜中の2時になっても泣きやまなくて不安になり、夫にメールしたけれどまったく返信がありません。

救急車を呼ぶか迷った末、娘を車に乗せて救急病院へ。レントゲンを撮ったり点滴したりで、帰宅したのは朝方の4時か5時頃だったと思います。

大事には至らなかったのですが、思い返せば、その大変なときに夫は女と一緒にいたわけです。これはサレ妻脱却した現在でも、ちょっと怒っているほど鬼化しました!

 

寝ないと思考が「マイナス思考」に

クライアントの皆さんのお話を聞くと、寝られない人が本当に多いです。でも、心の安定を取り戻すには寝ないとダメ。睡眠不足が続くと精神状態に悪影響が及び、抑うつ傾向になるという研究結果もあります。

眠れなくて苦しんでいるクライアントには、朝の時間を徹底的に変えるようアドバイスします。
早起きをして、朝、散歩すること。そのためには夜、早く寝なければいけません。最初はなかなか寝られないのですが、朝早く起きる習慣がつくと夜には必ず眠くなり、スムーズに入眠できるようになります。

朝の散歩といっても、ウォーキングほど頑張らなくてOK。私の経験則では15分がベストです。やりすぎると疲れ、その日の家事や仕事に影響しますから。

近所に神社仏閣があれば、朝のすがすがしい空気を思う存分に味わいながら手を合わせるのもいいですね。そのとき、「あの女に不幸が訪れますように」なんて祈ってはダメですよ(笑)。

 

イヤなことは頑張らない

たとえば家事も、イヤならやらなくて結構です。不倫発覚後の半年間は、とにかく自分を癒やしてください。

半年間は、自分を整えることが大事なのです。そうしないと共同生活をしている夫に、「私ばっかり家事してて家政婦みたい」なんて嫌みを言うことになり、さらに夫婦関係がまずくなるだけです。

私自身、潔癖症で毎日掃除機をかけないと気持ち悪くてしょうがないタイプです。サレ妻だったとき、家事はとてもつらかったけれど潔癖症なのは変わらず、荒れていく家の中が耐えられませんでした。
そのとき考えたのです。当時、家事を何もしなかった不倫夫と、どうしたらブチ切れずに暮らせるかと。

わかったのは、イヤイヤ家事をすると自分が犠牲者になってしまうことです。自分がかわいそうな女に思えてもっと家事がイヤになるし、鬼化して夫への態度も夫婦関係も最悪になる……。

そこで私がどうしたかというと、「私が掃除したいからする」と思考を変えました。私が心地よくいたいから部屋に掃除機をかける、快適なトイレタイムを過ごしたいからトイレ掃除をする、と意識を変えたのです。どうしても家事がイヤなときは業者に頼めばいいということにしました。

他人の思考は変えられませんが、自分が物事をどう捉えるかは自分で変えられます。要するに、「ものは考えよう」。

こうした意識改革のもとに家事を済ませ、清潔な居心地のいい部屋でコーヒーを飲んだとき、自分がものすごく成長したことを実感しました。夫の不倫なんて最悪ですけれど、得るものはちゃんとあったのです。

私自身もクライアントも実感しているのが、被害妄想が少なくなり、自己肯定感が上がること。その結果、自分を責めることがなくなり、気持ちが安定します。ぜひ試して、自分の変化に気づく経験をしてほしいと思います。

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