スーファミか、メガドライブか...フランスのゲーム開発者が語る「日本のゲーム業界の強み」
2024年09月30日 公開
↑Matthieu Luさん
近年、レトロゲームが再注目されている中、スーパーファミコン時代のゲームにインスパイアされたインディーゲーム『Dagada's Story』の発売が決定(2025年予定)。今回、東京ゲームショウにも出展している、本作の開発者・Matthieu Luさんに、開発の背景や、日本のゲーム文化への想いを語ってもらいました。(文:小林実央)
スーファミ派? メガドライブ派?
↑『Dagada's Story』プレイ画面
――『Dagada's Story』はスーパーファミコンのゲームからインスピレーションを得たとのことですが、スーファミはフランスでも人気があったのでしょうか?
スーパーファミコン(フランスではSuper Nintendoと呼ばれていました)は、フランスでとても人気がありました! 友人たちとゲームを交換して、さまざまな日本のゲーム、たとえば『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』や『ヨッシーアイランド』を知ることができました。
多くの日本・アメリカのゲームが発売されていましたが、アステリックスやタンタン、ラッキー・ルークなどのフランス人にとって馴染みのあるキャラクターが登場する作品も沢山ありましたね。
当時のフランスでは、任天堂とセガの間で競争があり、ほとんどの家庭はスーパーファミコンかメガドライブのどちらかを持っているような状況でした。私の記憶では、メガドライブは、より暗く、より未来的なスタイルで10代をターゲットにしていたため、当時の私はあまり魅力を感じていませんでした(笑)
――現在でも、日本のゲームはフランスでの認知度が高いのでしょうか?
ゲームそのものよりも、ゲームのヒーローの方が広く知られています! マリオ、ゼルダ、クラウド(ファイナルファンタジー)...などなど。また、小島秀夫さん、宮本茂さん、坂口博信さんといったクリエイターの方々も有名ですね。
日本のゲーム業界の強み
――影響を受けた日本のゲームはありますか?
プレイしたすべてのゲーム機には、印象的な日本の作品がありました。
スーファミでは、『ゼルダ』と、もちろん『マリオ』。PlayStationでは『ファイナルファンタジー』。私は、FFシリーズで日本のRPG(JRPG)の存在を知りました。
そして10代になると、より成熟した世界観を持つ作品、例えば『メタルギア ソリッド』や『ベイグラントストーリー』をプレイしました。PlayStation2では、PlayStation1で始めたシリーズをプレイし続けました。特に上田文人さんのゲーム(『ICO』や『ワンダと巨像』など)からは、大きな影響を受けています。
ここまで挙げたゲームには少し懐かしさを感じると思いますが、現在でもプレイできるゲームばかりです。30年以上経っても楽しめるということは、作品のクオリティが高かった証だと言えるでしょう。
私が思うに、日本人の強みは、創作物すべてに日本の精神を注入する能力だと思います。それは音楽や映画、ビデオゲームにも感じられます。日本のゲームは、他のゲームとは何か違うものを提供していることが多いのです。
さらに、『ダークソウル』シリーズを生んだ宮崎英高さんのように、独自のスタイルを持ち、まったく新しいタイプのゲームを生み出すことができるゲームデザイナーがいることも、日本のゲーム業界の強みだと思います。
Dagada's Storyはどんなゲーム?
――『Dagada's Story』はどのようなゲームなのでしょうか?
『Dagada's Story』はスーパーファミコンのゲームを再現しています。生態系に関する物語を伝える内容で、システム面では、私がこれまでに遊んできたゲームに欠けていた要素を組み込むことを目指しました。
例えば、本作は『マリオ』のようなプラットフォーム・アクション(キャラクターをジャンプさせて足場から足場へと飛び移る)の要素がありますが、『スーパーメトロイド』のようにオープンな探索が可能で、ゲームに登場する2人の主人公の強みを組み合わせたパズルもあります。
ひと昔前のゲームをプレイしたい人や、スーパーファミコン時代のゲームを体験したことのない世代ににプレイして貰いたいです。
『Dagada's Story』の開発は、まさにアドベンチャーですね(笑)。単にゲームを作るだけでなく、この制作を通じて新しい体験を得たいと思っています。残念ながら、まだゲーム制作だけで生計を立てることはできないので副業をしていますが、これまで私一人だったのが、現在ではメンバーが3人に増え、才能のある人々に囲まれているのは幸運です!
スーパーファミコン時代のゲームにインスパイアされた冒険の旅に出よう!
不慮の事故で気候が牙を剥く星に墜落した「ダガダ」は、暗い洞窟で目覚め謎の声に導かれる...どうやら村人たちが宇宙船を修理してくれているようだ。ダガダは新たな友と山を探検し、困難を乗り越え、やがて村を脅かす大災害を突き止めることになる。
主人公「ダガダ」はジャンプしたり、登ったり、重いものを押したりして山を探検することができ、相棒「ナオウ」は空を飛んだり、エネルギーを使って不思議な石を起動させたりすることができる。ダガダを故郷に帰すため、2人は暗い洞窟を探検し、古代遺跡で謎のパズルを解く。しかし、危険な気候の脅威が迫っている! かつて平和だったこの自然が敵対するようになったとき、はたして君は2人が調和を取り戻すのを手助けできるだろうか?
公式サイト:https://www.dagadastory.com/
Steam:https://store.steampowered.com/app/1859390/Dagadas_Story/
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