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生き方

“非生産的な夜の時間”を断ち切る...朝、快適に目覚めるための5つのステップ

ハル・エルロッド 著、鹿田昌美 訳

2025年09月05日 公開

二度の"どん底"、飲酒運転の大型トラックに衝突され瀕死の重傷を負う、リーマンショックの影響で収入が途絶え家のローンも払えない...そんな状態を克服した本稿の著者ハル・エルロッドは、その自らの経験から、人生を成功に導くモーニングメソッドを構築、書籍化し、世界中の人々にその手法を伝えてきた。 

本稿では、そのモーニングメソッドを実行するにあたり、前提となる"朝早起きする"ための5つのステップを紹介する。

※本記事は、ハル・エルロッド 著、鹿田昌美 訳『[新版]人生を変えるモーニングメソッド』(大和書房)の一部を再編集したものです

 

スヌーズボタンを使わない目覚めのポイント

最初に言っておくが、僕自身、これから紹介するテクニックを習得しなければ、今頃まだ眠っているか、スヌーズボタンを押し続けているだろう。

そして、「僕は朝型人間じゃない」という思い込みに縛られていたはずだ。
ではどうすれば克服できるのか?
新しい習慣は最初は楽しくないかもしれない。
しかし、いったん習慣が身についてメリットを享受し始めると、自然に身体が動いて楽しめるだけではなく、やらずにはいられなくなる。

たとえば、早起きが好きな人はまれだが、早起きしたときの気分が嫌いな人はいない。
僕が早起きを始めたときに役立ったのは、「非生産的な夜の時間を生産性の高い朝の時間に変える」という考え方だった。

夜更かししてテレビを見たり、SNSを見続けたり、お酒を飲んだり、ダラダラと過ごしたり、といった1日の終わりの無駄な時間を省いて、生産的な朝の恩恵を受けるようになった。

つまり、モーニングメソッドを実践するために睡眠を犠牲にしなくてもいい―朝の時間は、1日のどこかにある浪費時間から捻出することができる。

 

「起きたい気分」になる5つのステップ

平均的な朝を想像してみよう。
アラームが鳴った瞬間の「起きたい気分のレベル」を1から10(1は何が何でも起きたくない、10は今すぐ起きて1日を始められる)で測定すると、あなたは何点だろうか?

「1」か「2」の人が大半のはずだ。まだ寝ぼけているときに、スヌーズボタンを押して寝直したくなるのは、自然の流れだ。
では、どうすればいい?

答えはシンプル。一気に何もかもやろうとしないで、1ステップずつに行動を区切って行うことだ。

スヌーズボタンを押さずにラクに起きるための5つのステップを紹介しよう。

 

ステップ1  前夜のうちに意志を固める

すっきり目覚めるための第1のポイントとして、覚えておいてほしい言葉がある。
「朝起きて最初に考えたことは、たいてい、寝る前最後に考えたのと同じ内容である」

メンタルの状態についても同様で、ストレスの強い考え事や心配事で頭をいっぱいにして眠ると、同じ考えや気持ちを抱えたまま目覚める可能性が高くなる。

就寝時の精神状態は、眠っている間に潜在意識に重くのしかかり、目覚めたときにどう感じるかに影響する。だから、眠りに落ちるときに何を考え、何を思い浮かべるかは意識的に選択するべきなのだ。

ステップ1、つまり「前夜のうちに意志を固める」は、あなたが思っている以上に影響力があるので、見落とさないようにしてほしい。

毎晩わずか数分、目覚めたときの気分を設定することで、翌朝に力がみなぎり、ワクワクしながら目覚めて、1日を最適化することができる。

 

ステップ2 アラームをベッドから遠ざける

これは、もっとも簡単で効果的な戦略かもしれない。目覚まし時計を、寝ている場所からできるだけ遠ざけてみてほしい。僕はバスルームのシンクに置いているが、そうすると、アラームが鳴った瞬間にベッドから起き上がり、すぐに身体を動かすことになる。

動くことでエネルギーが生みだされ、起き上がってアラームを止めるために歩くだけで、自然に目が覚める。すると、そのまま起きていられるようになるのだ。

目を覚まして直立している時間が1分増えるごとに、「起きたい気分のレベル」も上がる。ベッドから出て部屋を歩いてアラームを止めるように場所を設定するだけで、レベルがたちまち「1」から「2」や「3」に上がるだろう。

とはいえ、まだ1日を始める準備が整っていないかもしれない。そこでやってほしいのが......

 

ステップ3 歯を磨く

ここでのポイントは、何も考えずにできることで、身体が目覚める準備期間を与えること。アラームを止めたら、そのまま洗面所に直行して歯を磨く。
ついでに顔を冷水で洗ってもいいだろう。このシンプルな手順だけで、起きたい気分が「3」か「4」に上がる。

口の中がミントの香りですっきりしたところで、今度は水分補給の時間だ。

 

ステップ4 コップ1杯の水を飲む

気づいていないかもしれないが、眠っている間は6〜8時間水を飲んでいないため、起きたときには身体が軽い水分不足になっている。
水分が不足すると疲労につながる。1日のうち、どんな時間でも疲れを感じたときは、たいてい必要なのは睡眠よりも水分なのだ。

眠っている間は水分補給ができず、汗と呼気によって水蒸気を排出するため、多量の水分が失われていることはよく知られている。だから、起床後できるだけ早く水分補給を始めることが大切だ。

その場合、朝の飲み物にコーヒーを選ぶ人は多いだろう。コーヒーには数多くのメリットがあるが、水分補給にはならないので注意が必要だ。利尿作用があり、さらなる脱水を引き起こす可能性がある。もちろん朝にラテを飲んでも問題ないので安心してほしい。ただし、少なくともコップ1杯の水を飲んだ後にすることをおすすめしたい。

さらなる効果を得たい人には、ヒマラヤ岩塩をほんの少しだけと新鮮なレモン汁を水に加えるといい。ミネラルやビタミンCも補給でき、免疫力が高まり、身体が内側と外側から元気になる。

朝一番に水を飲むことを忘れないよう、僕は寝る直前にベッドサイドテーブルにコップ1杯の水を置いている。朝、歯を磨いた後にすぐに半分ほど飲み、残りを少しずつ飲むようにしている。

目的は、できるだけ早く身体と心を潤し、睡眠中に奪われた水分を補うことだ。
コップ1杯の水で水分補給ができたら、起きたい気分が「3」〜「4」から「5」〜「6」に上がる。

 

ステップ5 運動ができる服に着替える

大切な最後のステップは、運動ができる服に着替えること。寝室を出たらさっそくモーニングメソッドの実践に入るためだ。

実践には短時間の運動(エクササイズ)が含まれる。着替える数分間は、心と身体を目覚めさせる時間になり、起きたい気分を「6」や「7」に上げてくれるだけではなく、あなたの意識に「正式に起床した」というメッセージを送ってくれる。

5つのステップは、ものの数分でできる。完了すれば「起きたい気分のレベル」が自然に上がり、モーニングメソッドを行うのに必要なエネルギーを生み出すことができる。

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