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生き方

常識より非常識を探す…ものづくりの現場で生まれた「名言」

桑原晃弥(コンサルタント/執筆家)

2011年03月17日 公開 2022年08月17日 更新

 

ものづくりの現場で生まれた言葉

知識も大切だが、
新たなモノを生み出すには執念が不可欠。
―― ヘイワ原紙 山岡陸宏

和紙加工メーカー、ヘイワ原紙の社長の言葉。売れ行き良好品に頼り切って失敗した経験から、常に新製品に挑戦している同社だが、柱になった「靴用の中敷き」には苦労した。製品化がまるで進まない。

「知識も大切だが、新たなものを生み出すには執念が不可欠」(関 満博『ニッポンのモノづくり学』日経BP社)と考えた同氏は、意見を聞き回り、紙産業技術センターの支援や、地元企業二社との共同開発で製品化にこぎつけた。「必死で取り組めば必ず答えは見えてくる」(同)と言っている。

松下幸之助氏に「二階に上がるハシゴは上がりたいと考える者だけがつくる」という言葉がある。ハシゴをつくる技術は大工が持つ。だが、技術を駆使してハシゴをつくるのは、上がりたいという執念を持つ人なのである。

高度な機械ほど、
人間の五感プラス
技という六感が要求されます。
―― 長島精工 長島 晃

世界一といわれる平面研削盤をつくる長島精工の会長の言葉。同氏は長年京都府に勤めた後、息子・善之氏の会社設立を全面的に支援した。一時は売れない機械が数十台も倉庫にたまったが、やがてドイツのユングの機械をしのぐ評価を得る。ユングは機械研削で仕上げるが、同社は肝心の部分にキサゲ(キサゲという道具を使った手作業による表面仕上げ)をかけているのだ。

「高精度な機械ほど、人間の五感プラス技という六感が要求されます。機械も量より質の時代です。機械にも品性があります。機械は人の心を映します」(小関智弘『職人学』講談社)と話している。

 

【PROFILE】桑原晃弥(くわばら てるや)
1956年、広島県生まれ。慶應義塾大学卒。業界紙記者、不動産会社、採用コンサルタント会社を経て独立。転職者・新卒者の採用と定着に関する業務で実績を残した後、トヨタ式の実践、普及で有名なカルマン株式会社の顧問として「人を真ん中においたモノづくり」に関する書籍やテキスト、ビデオなどの企画、編集を行なっている。
著書に『「トップアスリート」名語録』(PHP文庫)『1分間スティーブ・ジョブズ』(ソフトバンククリエイティブ)『ジョブズはなぜ「石ころ」から成功者になれたのか』(経済界)『自分の見せ方が上手い人、下手な人』(成美堂出版)などがある。

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