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女性のための老子<4>「素をあらわにし、樸を抱く」

早島妙聴(一般財団法人日本タオイズム協会理事長/道家<道>学院副学長)

2015年07月12日 公開 2024年12月16日 更新

PHPスペシャル2015年9月号より》

 

<今月のTAOの言葉>

素をあらわにし、樸〈ぼく〉を抱〈いだ〉く

ありのままに素朴なのがいい

 

あなたらしく生きる

 さあ今回も、女子の柔軟さこそすばらしいと説いた人類の名著『老子』の言葉から、人生が幸せに楽しくなる生き方の秘訣つをお話ししたいと思います。今月は老子第19章、「素をあらわにし、樸を抱く」です。本当に住みやすい世の中とは、簡単に言えば、すべてのものが、その個性を大切にし、ありのままに暮らしているような世の中だと教えているのです。

 私たち女子も、それぞれ気の強い人、優しい人、まじめな人など、個性はさまざまですが、その個性を生かして自分らしい人生を生きるのが、幸せになる秘訣なのです。同僚のK子さんは、頭も良く、美人でスポーツ万能、もうとても私なんか比較にならない、なんてちょっと気弱になっているあなたは、ぜひいっしょに考えてみましょう。他人との比較に、大切なあなたの人生の時を浪費しないで、自分らしく、ありのままに生きることです。

 

比較をやめよう

 私たちは学校に入ってからずっと、容姿や、成績や、人気など、人との比較によって、自分の価値を計ってきたのかもしれません。ですが、老子はそんな考え方を否定し、自分らしくありのままが最も良いと言っているのです。

 樸を抱く、の樸は原木のことで、それぞれの木の持つ本来の姿が大切なのです。頭も良い、美人のKさんと同じになる必要はないばかりでなく、あなたには、あなたらしいあなたにしかない魅力が必ずあるのです。おしゃれも、仕事も、趣味も、本当に楽しいと思えるものを選ぶことです。

 さあ、人との比較で落ち込んでいた時間を、今日から自分磨きに使いましょう。そして、あなたがすなおに、自分を活かして頑張っている時、それが最もあなたの輝いている時だということを忘れないでくださいね。

<著者紹介>

早島妙聴
(​はやしま・みょうちょう)

東京都生まれ。一般財団法人日本タオイズム協会理事長・道家<道>学院 副学長。お年寄りから子供まで、わかりやすいタオイズムを伝え、健康で幸せな人生に活かすタオイズムの真髄を伝えている。

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