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仕事

仕事のミスは脳の仕組みが原因だった!

宇都出雅巳(トレスペクト経営教育研究所代表)

2016年08月12日 公開 2023年09月12日 更新

「頑張る」ほどにミスが出る!

まずは「作業記憶」。
すぐにしっかり覚えてくれるすぐれものですが、その弱点は容量が小さいこと。しかも、覚えておくために「注意」を向けておくことが必要なのです。

また、作業記憶の容量が小さいのと同様、人が同時に向けられる「注意」も限られています。
これが、メモリーミス(忘れた!)やアテンションミス(見落とした!)が起きる原因です。

たくさん情報が入ってきて覚えようとしたり、何か他のものの注意を向けたりすると、さっきまではっきり覚えていたことをすっかり忘れてしまう、他のものに注意が向かなくなったりするのです。

たとえ、あなたががんばって覚えようとしたり、見落とさないようにしても、作業記憶や注意が限られているという制約からは逃れられません。
逆に、がんばることで、余計に作業記憶や注意を浪費してしまい、さらにミスが増えるという結果になるのです。

そして、「潜在記憶」。これは勝手に思い出してくれるという便利な働きが、逆にミスを引き起こしてしまいます。
たとえば、だれかと話していて自分の話を相手が「わかる、わかる」と言っているけれども、話が誤解されていると感じることってありませんか? これは「潜在記憶」の仕業です。

相手はあなたの話を聞いているようで、実は勝手に思い出される自分の潜在記憶に意識が向いてしまって、ちゃんと聞いていないのです。
これもがんばってわかろうと聞けば聞くほど、起こしてしまうミスです。
また、何かの意思決定をするとき、自分で決めた、しっかり考えて決断した、と思っていても、実は勝手に思い出されている潜在記憶に大きな影響を受けています。

このように、私たちは「作業記憶」「潜在記憶」によってミスを起こしてしまっているのです。

 

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ミスをなくすためにできる本当の対策とは?

著者紹介

宇都出雅巳(うつで・まさみ)

トレスペクト教育研究所代表

1967年生まれ。東京大学経済学部卒。出版社、コンサルティング会社勤務後、ニューヨーク大学留学(MBA)。外資系銀行を経て、2002年に独立。30年にわたり、記憶術と速読を実践研究し、脳科学や心理学、認知科学の知見も積極的に取り入れた独自の勉強法を確立。受験生・ビジネスマン向けの講座・個別指導を行うほか、企業研修や予備校講師の指導も行う。専門家サイト・オールアバウト「記憶術」ガイド。主な著書に『「1分スピード記憶」勉強法』(三笠書房)、『合格る技術』『合格る思考』(すばる舎)、『速読勉強術』『絶妙な聞き方』(PHP文庫)、『暗記が苦手な人の3ステップ記憶勉強術』(実務教育出版)、『速読・多読でビジネス力が高まる!スピード読書術』(東洋経済新報社)など多数。
ホームページ:www.utsude.com
Ameba公認専門家ブログ「だれでもできる!速読勉強術」:http://ameblo.jp/kosoku-tairyokaiten-ho/

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