スティーブ・ジョブズの演説「Stay hungry, Stay foolish」に隠された本当の意味
2011年10月18日 公開 2022年12月22日 更新
3.インフラを変える
一念発起して「自分は変わるぞ!」と決意しても1週間後には元に戻ってしまう事があります。その大きな理由は、その決意を支えるためのインフラが無いからです。
自分の周りには仕事や友人関係など、それまでの生活を支えてきた強固なインフラがあります。そのインフラを変えない限りは、せっかく決意をしても周りの環境に負けて、元の自分に引き戻されてしまいます。大前研一氏は人生を変える方法は次の3つしかないと断言します。
・時間の使い方を変える
・住む場所を変える
・付き合う人を変える
これは現在の自分の「役」を支えるインフラを変えるという事に他なりません。人間はそもそも弱い動物で、すぐに周りの「同調圧力」に屈してしまいます。それならば「同調圧力」を逆手に取って、周りの人のレベルが高い環境にわざと身を置けばいいのです。
これこそが弟子入りであり、自分の実力より少しレベルの高い学校やスポーツチームに入る事がこれに当たります。そういう所に身を置けば、周りの人についていこうとして自然に努力するようになり、知識もどんどん吸収できます。
つまり、自分を取り巻くインフラをまずは強制的に変えてしまう事が、自分を変える上で有効な手段なのです。
4.できるだけそのままマネしてみる
次のステップは、できるだけ素直にマネしてみる事です。納得できない事でも、だまされたと思って実行してみる事、それも四の五の言わずに、徹底的にやる方が効果的です。
よく「仕事の成果を上げたいけど、今のやり方は変えたくない」という人がいますが、同じ事をやって違う結果を望むのは無理な話です。でもどう行動を変えたらいいか分からない場合は、とにかく師匠をマネして、極端なぐらいに行動を変えてみる事です。
他人を模倣するなんて、個性をつぶすんじゃないかと思う人もいるかも知れませんが、個性とは「そうしないではいられない衝動」(=エス)であって、他人をマネしたぐらいでつぶれるようなものではありません。
むしろそれでなくなってしまうような個性は本当の個性ではなく、隠そうとしても惨み出てきてしまうものこそが本来の個性なのです。
だからこそ、思い切って、師匠の「型」をまるごと受け入れてしまえばいいのです。ノーベル賞を取ろうと思ったら基礎的な研究手法を知る必要があり、ロック歌手になろうと思ったら楽器の弾き方を学ぶ必要があります。
どんな世界でもベースとなる「型」があり、個性を発揮して勝負するステージは、「型」を超えたところにあります。したがってまずは師匠の教えを型通り習得し、できるだけ早く次のステージに進んだ方がいいのです。