見えていない答えに、それと気づかせる法
2011年11月08日 公開 2022年12月26日 更新
ゴールを明確にする
多くの人が道に迷ってしまうのは、道がわからないからというよりも、ゴールがはっきりしていないからということが多い。ゴールが明確でないのに、迷わずにゴールにたどり着くことなど、できない相談だからである。
ゴールはわかっているが、その方法がわからないと思っている場合も、実は到達困難なゴールをいきなり目指そうとしたり、誰にもどうにもならないことをゴールだと思い込んでいる場合が少なくない。
解決志向アプローチでは、到達可能なゴールを明確にすることを重要視する。ある意味、達成可能なゴールを明確にする過程が、解決構築にほかならないとも言えるのである。
話を始めるときから、常にその人が何を求めているのか、どうなりたいのか、今実現できることは何かを繰り返し問いかけ、それを明確にしていこうとする。
とかくありがちなことは、自分が求めるゴールが本当の意味ではわかっておらず、目の前の不快な事態をただ取り除くことが問題解決だと思っているという状況である。その場合、本人からすると、厄介な出来事や不当な事態が降りかかってきて、自分を苦しめていると感じていることが多い。
つまり、周囲に原因があって、それが問題を引き起こしていると受け止めている。その人にとって、間題解決とは周囲の原因を取り除くことであるが、それは容易なことではなく、解決のない袋小路にはまってしまう。なぜなら、他人や外の世界を変えることは簡単にはできないからだ。
間題解決がうまくいくときは、いったい何が起きるのか。先ほどの場合とはまるで違うことが起きる。つまり、自分の求めるものが明確になるとともに、それを手に入れるためには、自分が変わることで周囲との関係を変えていけばいいということに気づくようになるのだ。
そして、さらに自分がどう変わっていけばいいのかというイメージがより明確になり、それを実現していくための具体的な方法を模索し始める。問題解決アプローチは、その過程を効果的に促進しようとする。
最初のステップで必要なのは、達成可能なゴールを定めることである。進歩するにつれてゴールは変わってもいい。
「あなたが、いま一番求めていることは何ですか?」
「一年後、あなたはどうなっていたいですか?」
「この話し合いを通して、あなたは何を掴み取りたいですか?」
「そのために、今すぐあなたが実行できることは何でしょうか?」
こうした質問を随時行うことでゴールを明確にし続けることが、解決構築を促すのである。