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心の疲れの回復には「3日間」の休息を

下園壮太(メンタルトレーナー)

2018年02月21日 公開 2024年12月16日 更新

心と身体を緩める「DNA呼吸法」

 三日間休んで元気を取り戻すと、休む前には怒りや不安を感じていたことが、さほど大きな問題だとは思えなくなっているはずです。もちろん、怒りや不安は完全には消えませんが、かなり余裕を持ってその問題に「触れる」ことができるようになるのです。

 身体や心が疲れ、緊張している状態では、ソリが合わない上司との関係について考えようと思っても、「イヤだな」「怖いな」「会いたくないな」といった感情だけが頭の中をグルグルと巡ります。これでは不安感や警戒心が高まるだけで、問題の解決には結びつきません。

 一方、睡眠を十分に取り、心身ともに元気でリラックスした状態であれば、上司との関係を冷静に振り返ることができます。

 こうしたプロセスを経て、初めて問題を冷静に「考える」ことが可能になります。「あのとき上司があんな発言をしたのは、自分に何を伝えたかったのだろう」「この関係を変えるにはどうすればいいのだろう」というように、相手目線に立って具体的な解決策を模索していくのです。

 とはいえ、イヤな上司との関係について考えるのは、やはり辛いもの。最初はリラックスしていても、考えているうちに再び緊張し、身体や心が徐々に固まっていきます。

 そこで私がセミナー等で取り組んでもらっているのが、「DNA呼吸法」です。簡単に言えば、「心と身体の緊張状態をリセットする」ためのノウハウです。

 ある問題について考えているうちに緊張してきたら、いったん、DNA呼吸法で心と身体を緩めるのです。この呼吸法をマスターすれば、怒りや不満、不安を感じても、新たな気持ちで問題と向き直れます。

 DNA呼吸法は少し複雑なので、何度か練習してみてください。効果は絶大なので、ぜひ身につけてほしいと思います。

 ともあれ、まずは三日間徹底的に休むことから始めてみてください。それだけでもあなたの心の疲れは、ずいぶんと取れるはずです。

 

 

取材構成 長谷川 敦

 

『THE21』2017年12月号より

著者紹介

下園壮太(しもぞの・そうた)

心理カウンセラー

NPO法人メンタルレスキュー協会理事長。防衛大学校卒業後、陸上自衛隊初の心理幹部として、自衛隊員のメンタルヘルス教育やリーダーシップ育成、カウンセリングを手がける。退官後は、講演や研修を通してカウンセリング技術の普及に努める。『不安がりやさんの頭のいいゆるみ方』(さくら舎)など著書多数。

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