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生き方

ある日突然、過呼吸で倒れた30代エリート

中島 輝(心理カウンセラー)

2018年03月04日 公開 2023年09月08日 更新

子どものころに立ち返ってハッピーの素を探そう

次なる第三のステップが「自己成長」です。ここでの目的は、自分なりのリラックスする方法を手に入れること。子どものころや学生時代に好きだったスポーツや趣味、レジャーなど思い出して立ち返るのがいいでしょう。川遊びが好きなら川へ、海に行きたいなら海へ行くのもいいでしょう。すべてを自分に許してしまうことです。ぼーっと何もしなくてもかまいません。音楽を聴いてもいいし、お笑い番組やスポーツ中継などを見るのもいいでしょう。視覚や聴覚などの外部環境も上手に利用して、いったん心を無にすることが重要です。

仕事で無理をして心を病んでしまう人は、たいてい論理思考、つまりThinkの部分が強いのです。でもここでは自分の感情、Feelを表に出すことが肝心になってきます。この二つの側面をうまく使い分けることが心の状態を平穏に保つために必要なのですが、現代の多くの人が、ついついThinkの側面ばかりを使ってしまいがちなのです。

だから、何をしているときが一番ハッピーになれるか、何が自分にとって「快」の感情を呼び起こすのかを、自分自身に質問してみてください。そうした心のマネジメントこそが、自己成長を促すことになるのです。こうした「快」の感情探しこそが、メンタルマネジメントそのものなのです。

 

「人に身を任せる」ことも覚えよう

そうやってリラックスしてメンタルを整えることができるようになったら、最後のステップ=「貢献」に移ります。ここでは目標の再設定を行います。「目標」といってもあまり固く考える必要はありません。自分自身がワクワクできることを目指して、この先の展望を描いていけばいいのです。

ここで注意したいのは、描いた目標に対し、自分に足りないものがあったとしても、それを自力で埋めようとしないこと。自分に足りないものなら誰かに頼ってもいい、わからないことは人に聞いていいのです。そうやって、人に身を任せられるように意識を向けることが最後のステップです。それができるようになったとき、過呼吸発作の不安からも回復することができるはずです。

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エリートだからこそ、回復も早い

著者紹介

中島 輝(なかしま・てる)

心理カウンセラー

心理カウンセラー。小学4年生のころから双極性障害などの心の病に苦しみ、25歳で実家の借金を背負い込んだことからパニック障害と過呼吸の発作が悪化。その後10年にわたって引きこもるも、その中で独学で心理学やセラピーを習得し自らに実践して35歳で克服。現在まで1万名を超えるクライアントに心理カウンセリングを行い、その95%が回復している。著書に『大丈夫。そのつらい日々も光になる。』(PHP研究所)他、多数。

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